2010年08月31日
進みつづける
劇団アンラッキーボーイズさんの土浦公演<最終弁論>見てきました♪
15年のキャリアをもつ実力派劇団。
我々とは対極といっていいスタイル、王道のセリフと動きで勝負! という感じで、歌もダンスも派手な衣装もなし、BGMも最小限。
いや~、やはり年季の入り方が違います。すごく安定してる。ムダや間延びしたところが一切ない、緊密な構成。
原作はありますが、脚本はオリジナルだそう。
芸術の意味を問う力作。
前半はありがちな一般論の展開と思わせながら、さいごのどんでん返しが鮮やかです。
原作者がマルセル・デュシャンの<泉>を念頭に置いて書いてるのは明らか。
個人的には、<芸術>というテーマを<真実>とか<宗教>とかに置き換えて、ドラマティックな構成という点で共通したところのあるアゴタ・クリストフの初期の戯曲<怪物>とか、自分の卒論で扱ったジョージ・シュタイナーの<The Portage to San Christobal of A.H.>などをちょっと思い出しました。
今回の公演は、フライヤ送っていただいたので知ったのですが・・・。
さいきん、つくば・土浦近辺のほかの劇団さんの公演も折あるごとに見て勉強しなきゃ、と思いつつ、知らないうちに終わってた、ということが多く、反省しきりです。
自分のとこの団員さんから「○○さんの公演見てきたよー」という話をきいて、「何だー、知ってたら行ったのに」とか。もっとこまめにチェックしなくてはなりませんな。
アンラッキーさんからは、自分たちと全く違うことをやってるからこそすごく興味をもつ、と言っていただいて、いつも折あるごとに見に来てくださり、励ましのことばをくださってる。
こんな活動歴の長い、クオリティの高い劇団さんに認めていただいて、手放しで褒めていただける。こんなうれしいことはありません。
我々など新参者だし、クオリティも高くないし、自分も劇団代表として当たり前の努力をしてるにすぎないと思ってるのに、何でそんなにまで? と不思議だったんですが、この日、「立ち上げたころの自分たちを思い出す」と言ってくださって、ああ、なるほど! と腑に落ちるところがあった。
立ち上げの苦労、同じ道を通ってこられたからこそ、ご自分たちの思いに照らして共感してくださるのでしょう。
うちも立ち上げから2年になり、3作目にとりかかろうというところで、そろそろ新人とも言えなくなってきた。
これを励みにどんどんがんばって成長していかなきゃ、と思っています。
アンラッキーさんは、劇団としてはすごくコンパクトで少人数なのです。
各人の仕事がたくさんあって大変だろうな・・・と思っていましたが、ちょっとお話伺うと、あまり大所帯だと人間関係がゴタゴタするからあえて少人数なのだそう。
なるほどそうかぁと。
今回の客演の方が、バンドもやってたという人で、「バンドでも人間関係って難しい」って言うのを聞いて、つい先日、自分自身もバンドでものすごくゴタゴタした私は「そうですよねっ、分かります!!」と大いに熱を込めて共感してしまった。
さいきんなぜだか、(個人としても劇団としても)色んな方面から批判と賛辞を同時に(しかもどっちもけっこう極端)いただくので、何が何だかよく分からなくなってきてるこのごろ。
批判はまじめに考えるけど、賛辞も素直に受け取ろう。
と、とりあえずは思ってます。
客観的に見て「よい」ステージって何なんでしょう。
100人中80人が満足してくれたら?
100人中99人が満足してくれたら?
それとも、あの人とこの人が、100人の中には入ってない誰か特別な人が満足してくれたら?・・・
色んな考え方があるでしょう。
そのどれも、否定するつもりはありません。
私個人はやっぱり、わが敬愛する心の友、あゆのコトバに一票です。
「信じる道を、進みつづけることだ。必ず分かってくれる人があらわれる」
何でいきなりあゆ? と面食らう方もいらっしゃるかも、すみません。
浜崎あゆみ大好きです。長年のファンです。
わが劇団のステージングも、実は彼女のライヴパフォーマンスから学んでいる点が多々あります。
でも、それより何より、彼女の人間としてのアーティストとしての芯の強さ、速度を落とさずに、ガンガン進んでゆくパワー。
あれはほんとに敬服もの。
信じる道をゆくがゆえに敵を作ったり、大切なものを失ったりもするけれど、結局は共感を勝ち得て、いまも走りつづけている。
自分が望むあり方も、きっとあんな感じなんであろうな、と思うのです。・・・
Posted by 中島迂生 at 10:57│Comments(0)
│演劇一般
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