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Posted by つくばちゃんねるブログ at

2021年03月25日

ゴドー in Zoom



私が住んでるイル=ド=フランス地域は、3度目のロックダウンに突入しました。
今や新規感染者の4分の3が変異種だそうです。
すごい勢いだ。。。変異種、恐るべし。

個人的には院の授業も相変わらずリモートで、何の問題もありません。
個人的にはわざわざメトロに乗って大学いかなくていいの、ほんとにうれしい。もうずーっとリモートにしてほしい。
(こういう人もいます)

大学のサイト内に各授業のサイトがあるんですが、画像はそのなかで、ある授業のサイトのいちばん下に、先生がおまけでのっけていたイラスト。
<ゴドーを待ちながら>のZoomバージョンw
個人的にはどの資料よりいちばんのお気に入り。。

エストラゴンって、ベケットがつくった架空の名前かと思っていた。
ふつうに植物名だったのですね。
こちらでスーパーをウロウロしていて、スパイスの棚だったかな?
いきなり「エストラゴン」っていう表記に出会って、「えっ!」って思った記憶がある。

<ゴドー>に関しては、忘れられない舞台があるのですよ。
思い出すだに笑ってしまう。
いや、私の笑いのツボってけっこうみんなと違うみたいなので、これを読んで皆さんが面白いと思うかどうかは分かりませんが。

もう相当昔、知り合いに誘われて下北の小さな劇場で見た舞台です。
劇団の主宰は、串田孫一のお孫さんとかいっていたなぁ。
<ゴドー>ではないのです。<ゴドー>のパロディ。タイトルは忘れました。
<ゴドー>は勝手にアレンジされたりしないようけっこう厳しい規制があるようなので、その辺の事情かな。
でもパロディが星の数ほど存在するだろうことは、想像に難くない。

私が見たその舞台ではね。
休みの日に奥さんと旦那さんが家にいて、奥さんは忙しげに、いそいそと出かける支度をしている。
「後藤さんとテニスに行くのよ!」
そこにピンポーン!と呼び鈴が鳴る。
奥さん、玄関に飛んで行って、「あら、後藤さん?」と叫びながらぱっとドアを開ける。
「いえ、強盗です」
と、そこに立っていた強盗は奥さんにピストルを向け、バーン!と撃つ。
それを合図に、舞台の上にはひたすら、不条理な死を迎えた死体の山が積み重なっていく…。
(役者の数が足りないので、大方の死体は人形で代用していた。)

不謹慎と思われた方もいるかもしれない。
しかし、あえて言えばこれぞ不条理そのもの。

「あら、後藤さん?」
「いえ、強盗です」 バーン!

私、このくだりでツボってしまい、笑いすぎて息が苦しくなって、隣に座っていた、その日会ったばかりの知り合いの知り合いの肩にもたれてお腹を二つに折り曲げていた。
でも同時に、ベケットの神髄をみごとに表現しているな、と感嘆していたのだ。

そんなわけで冒頭のイラストもお気に入り。
たしか舞台には枯れ木が一本立っていて、それだと思うけど、同じ小さな枯れ木がウラジミールとエストラゴンと両方の背景に形を変えて映りこんでいるのも芸が細かい。

でも、必ずしも笑い話じゃなく、ときどき、ほんとにこういうことがあるの。
時間通りにZoomにつなげて、待っているのに、いつまでたっても授業が始まらないなと思ってサイトを確認してみると、先生の「体調不良のため休みます」っていう連絡が入っていたこともある。

別の授業で、ブエノスアイレスから授業していた先生が時差の計算を間違えたようで、いつになっても授業が始まらない。
と思ったら、開始時間から2時間後に唐突に連絡が来て、「誰もいないんだけどー」って。
そりゃ、2時間も遅れたら誰もいなくなってるよ!

そんなこともありますが、全体としては、わざわざ大学行ってマナー悪い学生たちの気を散らす私語や、後ろでカタカタノートPC打たれるとか、隣でサンドウィッチを食べられるとか、換気の悪さとか、もろもろの不愉快を耐え忍ばなくちゃいけないのに比べたら1000倍くらい快適!
極小のアパルトマンではありますが、自分の家は全パリ市内で断トツいちばん居心地のよい場所なのです。
好きなときにお茶入れて飲みながら聞けるし、最高。。















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Posted by 中島迂生 at 03:37Comments(0)