2021年09月15日
<モネの庭の想い出>シリーズの制作メモ
この記事では、今制作中の映像プロジェクト<モネの庭の想い出>のために描いたイラストシリーズの制作メモを記します。
イラスト自体は、二つ前の記事に全掲。
***
2021年7月~8月。
今のところ全24枚。紙にペン・色鉛筆。
絵の制作そのものにそう問題はなかった。
頭の中にあったイメージの大方を、ほぼその通りに描けたと思う。
いくつかの小さな失敗を除いては…
祖父の朝食の食卓に必ずあったはずの、ブルーベリーのジャムの瓶を描き忘れたとか。
(手に持って蓋を開けてるとこ、と考えることにしてる)
藤沢の家の居間の絵は、色を塗り上げてしまってから、何か足りないな…と思いながら眺めていると、
あとから絨毯の柄を思い出した。
ただ淡い緑色だったのではなくて、そこにピンクと白とこげ茶の、たしか花と鳥の絵柄が織り込まれていたはずだ。
でもそれを、上に家具が載った状態で、しかも斜めから見た状態で描き加えるって難しい。
まぁ今のところはいいや… またそのうち。
いくつか技術的な問題があったとすれば、
*目の描き方、というか、視線の描き方
人物を正面から描けばだいたいこっちを見ている感じになるのだが、斜めから描く場合が難しい。
どう描いたらこっちを見ている感じになるのか、焦点が合ってる感じになるのか…今後の課題。
*何で縁取るべきか問題
これまでずっと、縁取りはペンで入れるものだと思っていた。
ところが、いま手元にあるうちでは黒いペンを使うとどうしてもインク垂れしてしまって汚くなる。
そこで青いペンで入れてみたが、やっぱり変だ。
結局、鉛筆の先を細く削って強めに入れるのがいちばんしぜんと判明。しかも消しゴムで消して直せる。
思い込みを覆された感。えっ…。。
いままで緊張しながらペン入れしてたのは何だったのだろう。。
それくらい。
たいへんだったのは、制作後。
何が問題だったかというと、スキャナ画像のクオリティがひどすぎる。
アナログ絵が常につきまとわれる問題だ。
素晴らしいハイクオリティのスキャナという触れ込みだったのに。
こっちはちょっとの色調の違いにも心を配り、バランスを見ながら、細心の注意を払って描き上げてるというのに。
上がってくるのはショックを受けるほどうすらぼやけた汚い画像で、色調も変。
あれだけの時間とエネルギーをつぎ込んで、上がってくるのがこれ?!
見た瞬間、いつもショックで、メンタルに来る。
わざわざ店舗にスキャンし直しに行ったが、変わらない。
それをPSDで修正して原画の感じに近づけていく作業が、ほんとに果てしなく大変だった。
しかも24枚もあるんだもの。
とくに、手持ちのスキャナは赤が強すぎ、重たすぎる。
籠に盛ったミカンが、トマトに見えるレベル。
いくら何でもひどすぎる。
全体を調整したあと、絵の中の赤いモチーフ部分を手動で選択して、さらに色相を調整し、重さを軽減する。
いちいち世話が焼けすぎる。
ほんとに疲れた。
さらに、濃さの調整。
色鉛筆の絵って、そのままネットに載せると薄すぎてほんとに見られたものではない。
思う以上に相当濃くしないとだめ。
いったんちょうどいい濃さに調整したと思っても、SNSのプラットフォームに載せてみるとまるで白い靄がかかったよう。
一日かけて全部、さらに濃く調整した。
シリーズものだから、濃さにばらつきがあると不自然になる。
全体を見たときに調和して見えるよう、一枚一枚、考えながらほかと比較しながら調整しないといけない。
そういう調整の作業が、ほんとにいちばん大変だった。
あとは、順序を決めるとか、コメントを付すとかが、意外にたいへん。
「枠組みを整える」作業が。
でも、描き上げてみて、つくづく思った。
アートってすごい。無から有を生み出せる。
取りに戻れなくてあれほど困っていた資料が、いま全部、手元に揃った。
まぁ、あまり忠実ではないかもしれない、純粋に主観的なものだけど。。
******************************************************
2024年1月 さいきん発表した作品たちまとめ
さいきん発表した作品たちまとめ
Les tableaux peints pour mon projet de film
祖父について補足 思い出すままに
モネの庭の想い出:私の家族を描いた映像作品のためのスクリプト
小説・アレクサンドルⅢ世橋
さいきん発表した作品たちまとめ
Les tableaux peints pour mon projet de film
祖父について補足 思い出すままに
モネの庭の想い出:私の家族を描いた映像作品のためのスクリプト
小説・アレクサンドルⅢ世橋
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。