2018年08月26日
竜一点描 補遺その3: K先生語録
画像:O先生
この記事では、中島迂生が母校・竜ヶ崎一高を卒業時に書いた<竜一点描>の補遺メモをまとめています。
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K先生語録(数学の。<竜一点描>未収録分)
ある年の冬、風疹が大流行して、職員室でも10人ばかり倒れたこと。
子供のころやってない人が、大人になってかかると大変らしい。
で、K先生も倒れてしまい、一週間ほど学校を休んでいた。
(この先生にもウィルスの侵入する余地があったことが驚き。w)
ようやく復帰してきて、出欠を取りながら…
「お、○○、風疹で休みか。可哀想にな」
多項式の割り算の解き方。
「まぁ、いいからちょっと黙って見てろ。まずここからだな…」
黒板に書きながら説明するが、出てきた答えが検算とどうも合わず。
「あれ、おかしいな。待ってろ、xの4乗がこうだろ、そしてこうなって、こうなって…
ああ、分かった、ここがおかしいんだ。ここxの2乗+1だな。それでこうなって、こうなって、よしと。
おい、○○、どうして言わなかったんだ」
「だって、黙って見てろって」
野球部が3回戦で惨敗したあの夏、授業で余った5分間で話してくれたこと。
「まあ…野球部には長い夏休みになっちゃったけどな。ま、色んなことがあるからな。
俺もよ、まあ自分の恥をさらすようだけど、高校のとき部活やってて、そこの先輩たちがすごいんだよな。
部室の壁じゅうに賞状がいーっぱい貼ってあってな。
ところが、こんど自分たちが試合に出ようってときに、顧問の先生のお父さんが亡くなって、
その先生、転任しちゃったんだわ。ポーンとな。
で、新しい先生が来たんだけど、やっぱり合わないんだよな。
で、生意気だからな、今までこのやり方で勝ってきたんですっつって、自分たちのやり方を押し通して、
結局、試合で負けちゃったんだわ。
今でもOB会が、その…A先生を囲む会みたいのがあるんだけど、会員に入れてもらえなくて、
ちょっと寂しいんだけどな。
というわけで、…ま、色んなことがあるからな。はい、終わり」…
そのあと、休み時間に、
「○○りんの話聞いて感動したよー!」
「だろ? 俺もだよ」
って、クラスで盛り上がっていたこと。
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うん。とくにさいごの、情熱大陸的エピソード、いいですよね。
これのメモ、発見してうれしかったわー。
ピタゴラスだったかな?
「私の円の中に入るな」っていう話もあったな。
宇都宮へギョーザを食べに行った話とかもしてくれたけど、
特にオチもなかったことだし省略。
あとね。
今回、アルバムを探したついでに高校のときの教材の整理をしたのです。
私、中学まではあまり好きじゃなかったので、教科書とかパーッと全部捨ててしまったのだけど、
高校は楽しかったからわりととってあるの。
講師やってた期間が長かったから、国語や英語の参考書やプリント類などは
ふつうに参照資料としてずっと使っていた。
数学の教科書もとってある。手書きのワラ半紙のプリントも。
それで気づいたのが、手書きのプリントがいちばん多いのが実はこのK先生で。
カチッとした、強いきれいな字でね。
ほぼ毎回、丁寧な解説のプリントを配ってくれた気がする。
なんか方程式の演算だとか、グラフの面積計算とか。
ほんとに私たち、惜しみないエネルギーを注いでもらっていたな。
いま、眺めてみるとあらためて思います。
残念ながら、私自身は、さっぱりできるようにならなかったけれど
(K先生ゴメン!!)
そうして注いでもらったエネルギーの記憶というのは残りますよね。
Posted by 中島迂生 at 17:01│Comments(0)
│竜一点描
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