2018年08月26日

高校の話~7 ネコバスの通る日~




ここまで来たので、今月はいっそ<高校時代のノスタルジーにとことん浸りまくる月間>と
しようかと思います。
で、ひきつづき高校の話です。

このところ、ふとしたことで、竜一高の演劇部の初演作品だった<銀河鉄道の夜>の舞台のこと、
改めて思い出していたのです。
あれが自分にとって演劇というものの原点だなって、今もずっと思っていて。…

高校演劇

初回はほんとに、体育館でさえなくて、教室のひとつに暗幕張って、
イス並べて客席を作っていたのでした。
だから舞台と観客のあいだがめっちゃ近くて。
あのこじんまりした感じと、手作り感と。
何より部員さんたちの、とりわけ立ち上げたSさんの迸る情熱が
ダイレクトに伝わってきて。
これぞザ・<舞台>!!って感じで、忘れがたい。

そんな原体験もあって、
私、劇団を立ち上げた頃は、わりと高校演劇を見る機会が多かったのです。

今回、久しぶりにまた見たいなぁと思って、高校演劇祭にお邪魔しました。
このたびの各校のテーマは、LGBT、言語、いじめ、生活保護など。
あと、さいごの講評が面白いですよね。

ご自分の学校のところだけだけど、O先生がいらしていてね。
思いがけずまたお会いできました。
演劇祭に校長先生が来るってなかなかないよなー。
しかもひとりひとりのことをちゃんと把握してる。
この親バカな感じがよいですw

目のまわりの優しいしわ。
年ごとに子供たちに注いできた愛情を刻む年輪のようで。

会場が竜ヶ崎だったので、せっかくだから竜一高にも寄りました。
その日は台風が近く、大風にざわざわ木々がなっていて。
「ネコバスが通ると大風が吹く」っていう、あの頃のO先生の言葉を思い出しました。

 

校舎が新しくなったのは知ってるけど、正直、そこまで思い入れないのよね。
あの頃も、どってことないふつうのコンクリの箱だったからなー。
これが古い木造校舎とかだったら、思い入れもずいぶん違ってきただろうけど。

変わったものより、変わらないもののほうに目が行きます。
私の場合、だんぜん、木たち。
坂道の桜並木はずいぶん傷んでしまっていてね。
まぁ、前からだけど。。



ユリの木はそのまま。
ヒマラヤスギは、だいぶ弱っていたな。
ポプラは腰の辺りで切られてしまっていたけど、また伸び始めていた。
自転車小屋の向こうのケヤキの木立がりっぱでねー、
思いのほかトトロの森っぽい。



駐車場にせり出した百日紅の幹に、<枝に注意>っていう看板がかかっていて。
車がぶつからないよう、わざわざ赤いカラーコーンが置いてある。
これ、私のときにもあった。
看板は代替わりしたかもしれないけど、今もそのまま、スバラシイ。
この優しさが、めっちゃ好き。
ふつう、とっくに木のほうを切っちゃうでしょ?
この枝ぶりが、またいいのよね。日本画の竜のようで。



帰りは、いつも自転車で通ってた細道をのんびり。
あ~、いいな~、里山。
ほっとする~! パワーチャージ!!



たまに来て、季節のいいときだけ楽しんでて、ごめんなさいね。
でも私も当時は、毎日13キロ(往復26キロ!)、降っても晴れても
ペダルを踏んで通っていたのですよ。
だからまた、たまには来させてね。























  

Posted by 中島迂生 at 17:30Comments(0)高校の話 2018

2018年08月26日

竜一点描 補遺その4: 諸先生方語録


画像:O先生

この記事では、中島迂生が母校・竜ヶ崎一高を卒業時に書いた<竜一点描>の補遺メモをまとめています。

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思い浮かぶままに、諸先生方語録など(<竜一点描>未収録分)

世界史のS先生。
(日本史も世界史も両方S先生っていうのがなー…)
わりと穏やかな話し方ゆえ、催眠術にかかったように
教室の前半分ほぼ全員が寝てしまってることが。
「なんでみんな寝るのかなぁ。ボクの話し方の波長が眠気を誘うのかなぁ」
眉を寄せて、本気で困ってらっしゃるようすが気の毒で。。

生物のK先生。
(K先生、多いな…。)
「試験管の中にショウジョウバエを入れて
あまり個体数が多くなると、ストレスで共食いを始めるんですね。
都心部で殺人事件が多いのも、あまり人口密度が高いと
人間もストレスが溜まって攻撃性が高まるんでしょうかね」
と笑顔で言うのでちょっとホラー。

体育のN先生。
「ボクは学内恋愛、大いに奨励ですからね。
子供つくっちゃってもいいですからね」

よく雑学知識を教えてくれて、
おかげで日本全国の変わった苗字の読み方を知った、
地学のM先生。

元素周期表の覚え方が相当下ネタで、
みんな反応に困ってシーンとしていた
化学のK先生。

第一印象がオスカー・ワイルドだった
現代文のE先生。

いつも穏やかで紳士然とした
物理のK先生。

なぜかいつも白衣を着ていた
基礎解析のY先生。

etc, etc...

けっこう問題発言もあるような気もするけど、
我々の健全な発育が阻害されるということは特になかったのでOKw

こうして並べてみると、当時の竜一高の雰囲気が、なんとなく伝わるでしょう?
世界史のS先生、みんなが授業中に寝てるとき、怒るんじゃなくて、困ってる、っていうのがなんか、よかったな。
S先生は、学年主任でもあったんですよ。
顔と見た目は、めちゃめちゃ偉そうなのだけど、じっさいの言動は、拍子抜けするほど構えたところがなくて、謙虚な人だったなと思う。
「ボクは今47歳なんだけどね」って言ってたのを覚えている。
「47歳っていったら、もっと迷いがなくてしっかりした大人なもんだと思ってたけど、じっさいなってみると全然そんなことないな。おまけに、貯金もあんまりないし」って。
へえー… ふつうにそういうこと言っちゃうんだ、ってめっちゃカルチャーショックだったのを思い出す。

読み返してると次から次へ思い出して、尽きない。。






















  

Posted by 中島迂生 at 17:12Comments(0)竜一点描

2018年08月26日

竜一点描 補遺その3: K先生語録


画像:O先生

この記事では、中島迂生が母校・竜ヶ崎一高を卒業時に書いた<竜一点描>の補遺メモをまとめています。

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K先生語録(数学の。<竜一点描>未収録分)

ある年の冬、風疹が大流行して、職員室でも10人ばかり倒れたこと。
子供のころやってない人が、大人になってかかると大変らしい。
で、K先生も倒れてしまい、一週間ほど学校を休んでいた。
(この先生にもウィルスの侵入する余地があったことが驚き。w)
ようやく復帰してきて、出欠を取りながら…
「お、○○、風疹で休みか。可哀想にな」

多項式の割り算の解き方。
「まぁ、いいからちょっと黙って見てろ。まずここからだな…」
黒板に書きながら説明するが、出てきた答えが検算とどうも合わず。
「あれ、おかしいな。待ってろ、xの4乗がこうだろ、そしてこうなって、こうなって…
ああ、分かった、ここがおかしいんだ。ここxの2乗+1だな。それでこうなって、こうなって、よしと。
おい、○○、どうして言わなかったんだ」
「だって、黙って見てろって」

野球部が3回戦で惨敗したあの夏、授業で余った5分間で話してくれたこと。
「まあ…野球部には長い夏休みになっちゃったけどな。ま、色んなことがあるからな。
俺もよ、まあ自分の恥をさらすようだけど、高校のとき部活やってて、そこの先輩たちがすごいんだよな。
部室の壁じゅうに賞状がいーっぱい貼ってあってな。
ところが、こんど自分たちが試合に出ようってときに、顧問の先生のお父さんが亡くなって、
その先生、転任しちゃったんだわ。ポーンとな。
で、新しい先生が来たんだけど、やっぱり合わないんだよな。
で、生意気だからな、今までこのやり方で勝ってきたんですっつって、自分たちのやり方を押し通して、
結局、試合で負けちゃったんだわ。
今でもOB会が、その…A先生を囲む会みたいのがあるんだけど、会員に入れてもらえなくて、
ちょっと寂しいんだけどな。
というわけで、…ま、色んなことがあるからな。はい、終わり」…

そのあと、休み時間に、
「○○りんの話聞いて感動したよー!」
「だろ? 俺もだよ」
って、クラスで盛り上がっていたこと。

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うん。とくにさいごの、情熱大陸的エピソード、いいですよね。
これのメモ、発見してうれしかったわー。

ピタゴラスだったかな?
「私の円の中に入るな」っていう話もあったな。

宇都宮へギョーザを食べに行った話とかもしてくれたけど、
特にオチもなかったことだし省略。

あとね。
今回、アルバムを探したついでに高校のときの教材の整理をしたのです。
私、中学まではあまり好きじゃなかったので、教科書とかパーッと全部捨ててしまったのだけど、
高校は楽しかったからわりととってあるの。
講師やってた期間が長かったから、国語や英語の参考書やプリント類などは
ふつうに参照資料としてずっと使っていた。
数学の教科書もとってある。手書きのワラ半紙のプリントも。

それで気づいたのが、手書きのプリントがいちばん多いのが実はこのK先生で。
カチッとした、強いきれいな字でね。
ほぼ毎回、丁寧な解説のプリントを配ってくれた気がする。
なんか方程式の演算だとか、グラフの面積計算とか。
ほんとに私たち、惜しみないエネルギーを注いでもらっていたな。
いま、眺めてみるとあらためて思います。
残念ながら、私自身は、さっぱりできるようにならなかったけれど
(K先生ゴメン!!)
そうして注いでもらったエネルギーの記憶というのは残りますよね。

















  

Posted by 中島迂生 at 17:01Comments(0)竜一点描