2010年04月16日

第2作<エインガスの砦>つくば初演備忘2

・衣裳

 前回、直前までかかってものすごく大変だったので、今回は用心して早めに取り掛かりました。
 役やる人がいなくて、結局私が今回、ひとりで3役をやるはめになったので、3着を劇中で4回くらい着替えたんです。
 BGMをかけてる1分くらいのあいだに大急ぎで着替えなくちゃならないので、着替えやすいようにいろいろ工夫したし、着替えの練習とかもしました。
 でも、4回着替えるとなるとトータルでけっこう時間もかかるし、そのあいだエインガスの方が基本、ずっと走りまわってることになって、だいぶ疲れさせちゃったみたいです。
 
 海の神の娘ユーナの白いドレスは、ひとさまが送ってくださったもの。
 とっても素敵で、しかも私がもとから描いていたイラストそっくりだったのでびっくりでした。
 ふだんでも着たいくらいのお気に入りです。
 海関係の人なので、ネックレス、イヤリング、頭飾りのアクセサリは真珠で。
 頭飾りは、これも実は3連のネックレス。さいしょは、そのままでまげピンをたくさん使って頭に留めていたんですが、劇中で着替えるとなるととても時間が足りないので、考えたすえ、針金で自分の頭のかたちに骨組みをつくって、そこに細いステンレス線でぐるぐる巻いて固定して、ワンタッチで頭にかぶれるようにしました。窮すれば通ずって感じで、けっこう力作だったし、評判よかったです。ただ、骨組みを真鍮線でつくったのでちょっと柔らかくて、すぐ変形してしまう。もちょっと固い針金でつくればよかった。
 ヴェールとセパレートの袖は同じ生地で、自分でつくりました。海鳥っぽく、翼っぽい感じで。

 マノアの赤いドレスは、膝丈の市販のワンピースに、ギャザーを寄せた裾をつけ足したもの。
 さいしょはぐるりを同じ丈で、ロングドレスのようにしてたのですが、じっさい着て踊ってみると裾が長すぎてステップを踏むときに裾をふんづけて邪魔になることがわかったので、前の部分を短めにして、後ろにかけて斜めのラインになるようにしました。見た目もその方がすっきりしてよかったみたい。付け足しのところは安全ピンで留めていただけだったので、そういう調整がすぐできました。
 それに、裾のところと同じ布のショール、赤のネックレス。

 ほかの役者さんが、一生懸命私の着替えを手伝おうとしてくれるんですが、こまかいところをあんまりよく分かっていないでそうするので微妙に困った。
 2日目のマノアのとき、ネックレスをつけようとしてくれてるのでじっとしてたのですが、留め金の付け方が分かっていなくてつけられなくて、時間切れになって、結局ネックレスなしで出ていくはめになった。・・・やっぱり自分でやればよかった。・・・いちおうトータルで考えてスタイリングしてるから、そういうこまかいところもけっこう気になるんですよ。

 それにね、マノアのとき、一瞬でぱっと髪をほどいていくんですけど、束ねてるかたちがついちゃってて。
 あとで写真見たら、微妙に変。かたちついちゃった髪ってなかなかほぐせないんだよな・・・。
 ほんとはマノア、黒髪なのだから、ぱっとウィッグつけられたらいいんだけどな。

 それに今回は、着替え室としてステージわきのトイレを使わせていただけたのがとてもラッキーだったんですが、微妙にステージから離れていて、急いで走っていってもけっこう時間を取られてしまって。
 あと、壁のところに全身鏡を立てかけておいたのですが、全然悪気はないのだけど何回言っても鏡をふさぐように立ってる人がいて、いちいち「ごめんそこ鏡だからちょっとどいて」と頼まなければならなかったり。
 そういう色んな要素をぜんぶ把握しながらステージングを考えていかなければならないのでなかなか大変。

 ほんとは、せいぜいこの2役で精一杯だろうと思ってたんですが、ほかの人たちが自分たちだけではダンスが不安だというので「その他の女性たち」のダンスも先頭に立って踊るはめになりました。
 そのときに着てたのが、どピンク(役者さんのひとりが命名)のキャバクラ嬢みたいなドレス。笑)
 これはですね、その辺のリサイクルショップで、なんかの衣裳で使うこともあるだろうと思って冗談半分に買っておいたのですが、練習のとき着てみたら、「それでいいんじゃん」ということになって。
 練習のあとそのままコンビニ入ったら、すっごい異様な目で見られました。・・・
 でも、こと舞台となると、ほかの人たちの衣裳の色とのかねあいで見ても、これくらいきつい色のほうがよかったみたい。

 今回は私はダンスはぜんぶ裸足で踊ってました。
 背がちっちゃいから、ほんとはかかとのあるサンダルとかをはいた方が見ばえはしたんでしょうが、踊るには裸足がいちばん踊りやすい。
 野外ではどうかなと思って、リハのときにやってみたらとくに問題なかった。
 ただ自分の足の裏のたこが食い込んですごく痛かったので、そこは忘れずに削っておきました。
 工事してたので、コンクリの小さな破片とかがちらばっていて、掃いておかなきゃと思いながら、時間も余裕もなくてできなかったのですが、とくに気にならなかった。
 死ぬほど寒かった2日目も、ああいう天気でも、石の表面て太陽の熱をありったけ吸収してるみたいで、けっこうあったかいんですよ。自分でもちょっと意外でしたけど。だから裸足で問題はなかった。
 ただ、暑がりの私も、上半身はさすがに寒くて、凍え死ぬかと思いました。

 エインガスとエントロポスは、かつらも衣裳の生地も、わりと手持ちのものを活用できた。
 エインガスの青い布地は、昔、チャイナドレスを作ろうと思って買ってあったものだし 笑)、エントロポスの水色の衣裳は、ベッドカバーだったんですよ。
 去年の夏にミシンを買ってからは、縫うのも格段に楽になりました。
 エントロポスのひげは、白いビニールひもで作りました。これもけっこう力作。
 ひも自体がちょっとカールしたし、あと役者さんがアクリル絵の具で少し色付けしてなじませてくれたので、かつらの方となかなかいい感じになじんでいたと思います。
 ただ、とくに1日目はちょっと下の方へずり下がりすぎていたのが残念。
 その辺、自分の顔に合わせてなんとか工夫してくれてればよかったんですが。・・・
 ほんとは私が気がついて何とかしてればよかったんですが、正直、とてもそこまで気が回りません。
 エントロポスの杖は、うちの庭木を剪定したやつです。

 ほかの女性ダンサーたちの衣裳は、これも手持ちのものや、あと私の私服を着てもらったりしたので、あまり手がかかっていません。
 ただ、色の組み合わせにはやはり、けっこう凝ってます。並んだときに、色鉛筆みたいにきれいに見えるように。
 で、エインガスとエントロポスが寒色系なので、女性たちはバランスを考えて暖色で。
 1日目は、どピンク、黄色、オレンジ、淡めのピンク、紫という感じでけっこう賑やかでした。
 2日目もそうなる予定だったのですが、親子が抜けてしまったので3色になってしまいました・・・残念。
 アマチュア劇団はいろいろと大変なのです。・・・

・道具類 

 今回は、私は道具類にはあまり凝らなかったのですが、凝り性のエインガス君が例によっていろいろ作ってくれまして。
 演目の名前になってる砦のセットを、一生懸命作ろうとしてくれてたのはいいんですが、なかなか難しいところ。
 1日目のステージ中、上手の柱のあいだに置いてあったのが風で吹き散らされるたびにかき集めてまわっていたそうで、私は知らなかったんですが、「気が散る」という意見がありました・・・
 あと、二人で踊ってたとき、打ち合わせのところまでやる前にひとりで砦を取りにいっちゃって、こっちは「おいおい」って感じだったな。
 でまた、建てた砦が2秒くらいで風に吹き飛ばされて、ステージ後ろの、滝の水を受ける溝のなかにおっこちて、プカプカ流れて行ってしまったんですね。
 話の流れとして、たしかに後になって、海の神の怒りに触れて崩れ落ちて、海のなかに飲みこまれてしまうことになってはいたんですが、いかんせん、倒れるの、早すぎ。
 もう、大爆笑したくなって、でもここで私が笑ったら舞台がぶち壊しになるから必死にこらえていたんですが、苦しかったー。
 お客さんたちもみんな心の中で突っ込み入れながら見てたと思います。
 後刻、エデンで「重し、つけないとだめだよねー」「中にマイクスタンド入れといたらいいんじゃないの」とか、みんなで真剣に心配してくれました。爆)
 そのとき、木原さんも見ててくださったんですけど、よほど印象的だったようで、次の日のOMでそれをネタにしてくれたんです。でも、あのネタはたぶん、劇見てた人にしか分からなかっただろうなぁ。笑)

 うーん、そうだなぁ。
 道具類でも、背景幕とかでもそうなんですが、一般的にはないよりはあった方がいいには決まっているのだけど、道具としてちゃんと機能してくれないと、下手するとない方がましということになりかねない。
 とくに野外では、ほんとに風というのは強敵です。
 去年のときも、初日は背景幕が風でめちゃくちゃになって、ほんとに汚なかったもの。

・背景

 今回は作りませんでした。
 去年のとき、シーツ7枚にマジックとスプレーで描いて作ったのが死ぬほど大変だったので、今回はさいしょ、ちらしで使った絵をそのまま大伸ばしに引き伸ばして布にプリントしてもらってやろうかなと思ってたんです。
 というか、あの絵はそもそも、それをおもな目的として描いた。
 けど、横5メートルくらいに引き伸ばしてもらうと、業者さんに見積もりを出してもらったら、・・・8万円くらいかかるそうです。・・・ちょっとそれはさすがに無理だなと思ってやめました。
 ただ、アイルランド政府観光庁から送ってもらったポスターのなかに、ちょうど舞台背景のドゥーン・エインガスの写真のがあったので、それをステージのわきに掲げておいたし、劇の前に、ちらしの絵が背景になってることも説明しました。
 背景幕は、つくるだけじゃなく、当日柱に据え付けるのも脚立を運んできたりして、人手もいるし、ほんとに大変なのです。今回はそれがなかったおかげで、そこのところの手間が大幅に省けました。

・配役

 ここのところばかりは、いくらひとりで頑張っても限界があるので難しいところ。
 配役が確定しないと、日程が定まらないのでどうしようもない。
 毎回、ぎりぎりまで気を揉んで二転三転してさいごには何とかかんとか結果オーライ、みたいな感じでやってきて、今回もそんな感じでした。
 頑張ってくれた人はほんとに頑張ってくれたし、それなりの人もそれなりに頑張ってくれたと思う。
 ともかく、来てくれてるだけで、感謝しなくちゃなりません。
 あぁ、けど、なんかもうそういうの、つくづく疲れてきましたよ。
 この役は、あの役は誰かやってくれるのか、くれないのか、そもそも劇として成立するのか、しないのか・・・
 そのたびごとにいちいち気を揉むの。
 なのでけっこう前から、自分で組織するより、ちょっと勧めてくれた人もあって、もとからあるプロの劇団とかに脚本送ってみたりしようかな、と考えています。


同じカテゴリー(第2作<エインガスの砦>備忘)の記事画像
クリスマス公演備忘
同じカテゴリー(第2作<エインガスの砦>備忘)の記事
 クリスマス公演備忘 (2011-01-06 01:38)
 第2作<エインガスの砦>つくば初演備忘1 (2010-04-16 22:54)
 第2作<エインガスの砦>つくば初演備忘3 (2010-04-16 22:53)
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。