2009年05月18日

創立のいきさつ

 創立者はもともと作家志望です。 
 子供の頃から作家になりたいと思いつづけてきて、今でもそう思っています。
 好きな作家は色々な国にいます。とくにイギリス。
 自分を育ててくれた文学を、生み出してきたそういう国々、イギリスやアイルランドやそのほかの土地に、いつかは行こうと思いつづけてきました。

 はじめてじっさいに行ったのは2004年の夏のこと。
 そこで何に出会ったかというと、なかなか言葉では説明しづらいのですが…

 とくにウェールズとアイルランド、ケルトの地とよばれる当地で、私はそれまで経験したことのないような、たいへん強烈で、圧倒的なインスピレーション(文学上の)を受けたのです。
 行く先々で大地の霊が私に語りかけてきて、5千年前、1万年前にその土地で起こった物語を告げてくれるかのようでした。
 まるで空にスクリーンが張られて、映画のダイジェスト版のように次から次へとだーっとやってくるかのような。…あまりに圧倒的なので、少しこわくなったくらいです。
 けれどもそのとき、・・・これがそれなのだ、いつか自分が書くように定められていたもの、そのために自分が生まれてきた使命なのだ、というはっきりとした感覚を得たのでした。

 こう書くとなにか、怪しげなスピリチュアルなんとかみたいですが。
 でも、ほんとのことなのです・・・こういうふうにしか、説明のしようがないのです。
 当地では別にフシギなことでもないらしいのです。アイルランドで、やはり「物語がやってくる」と言ってたひとに会ったことがあります。

 ともかく、それから日本へ戻って以来、かの地で得た物語群を、私は書きつづけています。
 アイルランド篇とウェールズ篇とあわせて30章ほどあって、いまの時点でやっと全体の半分くらいまで行ったところです。

 2008年に至り、それまで書き上げた作品を、文章だけでなく、視覚的なかたちで表現したい、そのために、劇団をつくらなくては! と思いました。
 それは、前述のアイルランドの国民的詩人イェイツに倣ったやり方であるとともに、自分のなかでもとても自然で必然的な流れだったのです。
 いままで散文のかたちで書いてきたそれらの物語群を脚本に書き直して上演して、そういうかたちで世に問おうと。
 今回の創立には、こうした経緯と目的がありました。

 これまで色々な舞台を見て勉強し、またこのたびじっさいに、集まってくださった皆さんと舞台づくりをしてゆくなかで、さらに多くを学んで、いまも日々学び続けている毎日です。
 
 2009年3月、旗揚げ公演<エニスの修道士>を無事終え、現在、同作品の都内公演、また次作公演に向けて団員募集中です。

Posted by 中島迂生 at 12:54│Comments(0)創立のいきさつ
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