2020年11月08日

<青い部屋>の時代~インテリアと部屋の自分史~

<青い部屋>の時代~インテリアと部屋の自分史~ <青い部屋>の時代~インテリアと部屋の自分史~

これは昔の自分の部屋の写真。
フィルム写真です。
当時の部屋のようすを撮った画像ってほとんどないので、これはレア。撮っておいてよかったなと思っている。
大学で都内にしばらく住んだあと、つくばの家に戻ってけっこう根詰めて卒論を書いていたころ。
小さいころから使っていた部屋で、いま使っている部屋とは別の部屋です。
これはこれでモノも少なく、コンパクトにまとまっていてなかなかいい感じの部屋だったな。
引出しも何もついていない、軽やかな机がよい。
机の横に置いた大きな籠を、執筆中の論文のファイルを入れるのに使っていた。
章ごとにファイルをつくって、25章あったので、25冊のファイル。
けっこう大作の論文だったのです。。

でもここで書きたいのは論文のことではなく、部屋のインテリアのこと。
この頃の部屋の色調は、壁の白や家具の茶色、黒に加えて、青がテーマ。
この頃何年かは、青がとても好きだった。
青の時代。
いまも、青か赤かといったら圧倒的に青が好き。
部屋のトーンを決めるのは、カーテンとベッド周りのファブリックの色調じゃないかと思う。
この2要素は、面積が大きいから。
この頃は、カーテンもベッド周りも青でまとめていて。
よく見ると、それだけじゃなく、文房具から小物に至るまで、たぶん無意識なんだけど、いちいち青なのよね。
ファイルカバーも青だし、パンチやホチキス、壁に飾った映画のフライヤやポストカードも青系が多いし、それを留めている画ビョウの頭まで青。。
いま見返すと我ながら、徹底してるな、と感心してしまう。
ちなみにいまは、ターコイズがかった水色からミントグリーンくらいの色味が好きで、やはり気がつくと身のまわりで同じ現象が起こっている。。
ほんとはこっちのほうが、歴史は古いと思うな。
水色なんかほんと、小さいころから好きだったもの。
自分の部屋だとこうやって、ひたすら自分の好きなもので固めることができるから、だから居心地よくて気が休まるんじゃないかなと思う。

   *****

さいきん、けっこう世界の一流ホテルと言われるようなところを見る機会があるのだけど(ネットで)、うーん。
たしかに夜景は素晴らしかったりするし、細部までのこだわりやホスピタリティは素晴らしかったりするのでしょう。
ただ、インテリアに関しては…正直、自分はやっぱり、いまの自分の部屋がいちばん好きだな、と思っちゃう。
まぁ、何年もかけて自分の好みにしつらえてきたのだから、当たり前ではある。
めちゃめちゃ豪華なスイートとかを見ても、「なんかこのカーテンの柄、うるさいな」とか、「このソファの色、重すぎるな」とか思ってしまう。
これは私個人の意見なのだけど、柄や色ってすごく、部屋全体のトーンを左右するし、人の好みなんてそれぞれなのだから、色んな人が利用するホテルでは、色味のある色や柄は使わずに、白+モノトーンか茶系でまとめるのがいいのじゃないかなぁ。
カーテンがあまり好みじゃない色だったりすると、「一日くらいならまぁいいけど、何日もとなるときついな」と思ってしまったりする。

   *****

住空間へのこだわりって、私、けっこう昔からあった気がする。
自分の部屋というものを与えてもらったのは7才くらいのとき。
白壁に板張りの床の、なかなかいい部屋でした。
あ、冒頭の写真の部屋ね。
だけど、そのときは当然ながら、調度などは親がそろえてくれていたわけですよ。
写真の頃とは、まるで別部屋。
黄土色の絨毯が敷いてあって、親戚か誰かからもらった、どっしりとした灰色の金属製の学習机が置かれていて。
書類棚と洋服だんすと、これももらいもののオルガン。
あとオレンジ色のカラーボックスがあった。
カーテンもオレンジ系で。
あとおもちゃ箱とね。
でも小さい頃は、あまりそこでは過ごしていなかったな。
空調がなくて居心地よくなかったし。
あと照明が蛍光灯で、寒々として好きじゃなかった。

その部屋に本格的に「住む」ようになったのは、11才くらいのとき。
まずやったのは、灰色の学習机と黄土色の絨毯を粗大ゴミに出すこと。
学習机は、もとから好きじゃなかった。
なんかポンキッキの写真がでーんと入っていたのだけど、自分、番組見てなかったので何の愛着もなく、「何だよこいつら」って思っていて。w
名前も嫌いだったな。「学習」机って。
誰が学習なんてするかって思ってた。w
(←家では勉強しない主義)

そして、そのころエンデの<モモ>を読んで、左官屋のニノだったっけ? モモに机を作ってあげたって話が出てきて、いいなそれあたしも欲しい!と思って。
よしじゃぁ自分で作ろう!ってなって、ホームセンターで板と材木を買ってきて、自分でつくった。
引出しも何もついていない、シンプルな机。
その机は、少し高さを足して、ペンキを塗って、いまでもつくばの部屋で使っている。

絨毯は、私、アレルギー性鼻炎だったから、ないほうがいいんじゃないかと思ったの。
それで自分で剥がして、巻いて捨てた。
色もそんなに好きじゃなかったし。
掃除機掛けるのも嫌いだったし。
床なら、掃き掃除と雑巾がけですむのでね。
そうそう、その部屋に住み始めた11才の当時から、部屋周りのことはすべて自分でやっていた。
掃除、洗濯、布団干し。
殊勝な気持ちからじゃなかったです。
ただ、自分の城に、ほかの人に入ってほしくなかったの。
当時から、はやく家を出てひとり暮らししたかった。
独立心旺盛すぎ。w

オレンジ系のチェックのカーテンがかかっていたけど、これも結局外してしまったなぁ。
オルガンは地元の情報誌に広告を出して、ほしい人にあげた。
あとプラスチック製品をほぼすべて処分。
蛍光灯は使わずに、白熱灯のランプを使っていた。
冬には小さな電気ストーヴを。
タンス類はそのまま使ったな。
書類棚も洋服だんすも、ペンキ塗って今でも部屋においている。

そんなふうに親があつらえてくれた絨毯やカーテンを勝手に外したり、家具を捨てたりして、悪いと思わなかった?
いや、思わなかったなぁ。
だって、さいしょそれを自分の部屋に置くときも、「どれがいい?」とか「これでいい?」とか聞かれたためしがないもの。
そんな、もともと自分が選ばなかったものを捨てたってね。
別に悪いと思わないよ。

小さい頃って、意見、聞かれたためしがない。
服とかでも。
悪気はなかったと思うけれど、正直、あれはあまりよくないと思うな。
小さくたって、一個の人格なのだからさ。
まぁ、でも、意見聞かれなかったから、かえって反動で独立心旺盛に育ったのかな。

   *****

部屋の色調でいうと、そのころはふつうに白+茶色。
その時期が長かった。
それから写真の、青がテーマカラーだったときが一時期あって、それから老舗のカフェのような、こげ茶のどっしりとした感じが好きになったときがまた一時期あって。
それが重たく感じられるようになって、だんだんと家具も含めて白を基調とするようになって、今に至る。という感じかな。
白が基調、というのはこれからもあまり変わらない気がするな。
結局、それがいちばん落ち着く気がする。
まだ何も描かれていない、これから何かを描くキャンバスの色。
白壁に白の調度に、板張りの床の茶色。
そこにそのときどきの気分で、小物やファブリックなどでちょっぴり色を加える。
いまのつくばの部屋もパリの部屋も、そこは同じ感じで、よく似ている。

一時期、<こげ茶の時代>のころだったかな、ほんとにモノが増えてしまって。
四方の壁ぜんぶ本棚、みたいになってしまったときがあった。
かなり圧迫感があって、重たい感じだったな。
そのころ、この青い部屋の写真を見返したりすると、「あー、こんなに軽やかにコンパクトに暮らせていたこともあったんだ!」と、すごく遠いものに感じる一方、「でも、あれから好きなものも経験もたくさん増えたし、たぶんこれからも増えていく。そういうのってどうしたらいいのだろう?」って考えてしまった。
それから、劇団を立ち上げて道具類などでさらにモノが増えて。
「倉庫を借りるか?」とか真剣に検討もしたりして。

「いよいよダメだ! 何とかしないと」ってなったころ、タイミングよく色んな片づけ本に出会って片づけはじめて。
時間はかかったけどおかげさまで今ではとてもすっきりして、居心地のよい感じになりました。
そしてふと気がつくと、なんか、またこの頃の感じに近づいたな、という気がする。
この青い部屋のころ。
好きなものはさらに増えたので、なんというか、部屋の密度じたいはずっと濃くなっている。
でも、いまのすっきり具合はけっこう、この頃に匹敵するんじゃないかしら。

この頃の青い部屋のこと、いつか少し書きたいなぁとは思っていたの。
でも今回、久しぶりに見たら、そんな思わぬ発見もあって、ちょっとうれしい。。





















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Posted by 中島迂生 at 19:30│Comments(0)巴里日記2020冬
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