2021年01月09日

はじめてのアニメーション




年末から年明けも引き続き、絶賛引きこもり作業中。
毎年この時期はちょうど学期末で課題に埋もれ、いつもこんな感じで、例年と大して変わりません。
でも学部から院に移ったせいか、オンライン授業だったせいか、去年までよりも大幅に楽。
おかげさまで、そこまでクレイジーな状況にはなっていません。
しかも、わりと自分で選んで、やりたいことに近いことができている。
これはほんとに、うれしいところ。

今年さいしょのひと仕事。ペガサスのアニメーションづくり。
自分の描いた絵が命を吹き込まれて動き出す、というのははじめての経験で、なかなか感動的だった。
イラストを描く時点で意識して、おもな動きのある脚と翼のほかに、駆ける振動で揺れるたてがみや尻尾の動きも描き分けているの。
背景の色のグラデーションにも変化をつけている。
そういうところにも注意して見てみると楽しいかも。

このイラストはもともと、院の課題で、映画の遠い祖先のひとつ、プラクシノスコープ制作の一貫として描いたもの。

2020/11/16
プラクシノスコープ制作 一日目:下描き
映画の起源についての授業で、「プラクシノスコープをつくったら、単位あげるよ」というので、それくらいならさくっとできそうと、早めに取り掛かることに。しかし、やってみると思いのほか大変。。©DAVID PARKER/SCIENCE PHOTO LIBRARYプラクシノスコープは、その昔アニメーションのもとになった何とかスコー…


2020/11/20
プラクシノスコープ制作 二日目:ペン入れ
授業の課題で、アニメーションのもとになったひとつ「プラクシノスコープ」なるものをつくってみています。<二日目>一日目に鉛筆で下書きした12コマのペガサスのイラストに、ペンを入れ始める。さいしょの2匹で、相当疲れきってしまい、ひと休み。。なんか、ふだんと違う疲れかた。脳みそのふだんとは…


2020/11/24
プラクシノスコープ制作 三日目:本体組み立て
授業の課題で、アニメーションのもとになったひとつ「プラクシノスコープ」なるものをつくっています。<三日目>プラクシノスコープ本体を制作、組み立て。*注 このシリーズはとくに「正しいプラクシノスコープのつくり方」というわけではありません。私がはじめて、やってみようと思ってやってみた記録と…


2020/11/24
プラクシノスコープ制作 四日目:仕上げと調整など
授業の課題で、アニメーションのもとになったひとつ「プラクシノスコープ」なるものをつくっています。<四日目>・すべりよくくるくる回ること・鏡がちゃんと映ること等を目指し、調整とさいごの仕上げを。。三日目でだいたいの形は仕上がったのですが、いちばんのポイントである「回る」「映る」機能…



というわけで、もともとはこの円い部分の内側に配置すべき、ペガサスの連続した動きを12コマに描き分けたイラストで、くるくる回すとミラー部分にはばたきながら空を駆けているようすが見える、はずだった。
けれど、ミラー代わりに取り付けたシルバーの包装紙がうまく映らず、近所のお店を回ってみたものの、ハサミで切れるミラーなんて特殊なものはそうそう売っておらず。。
結局、プラクシノスコープとしては綺麗な画を得ることができなかったので、とりあえずこれだけ新たにソフト上でアニメーションとして作り直すことに。

パリの家にはスキャナを持ってないので、こういう必要があると近所のOffice Depotまでスキャンしてもらいに行く。
フランスにもOffice Depotがあるのだ。
こうしてJpegにしてもらったイラストを、Photoshop上で1匹ずつ切り離して、同じサイズにそろえ、位置を調整したり、背景を修正したり。
それを動画ソフトに取り込んで、様子を見ながらつなぎ合わせ、動画化。
さらにエレピとPCをケーブルでつないで音楽を入れる。

アニメは自分でもあまり見ないし、見るからに大変そうだから制作にかかわる気もなかったのだけど、いや、やっぱり大変だわこれ!!というのがよく分かった。
こんなシンプルでおおざっぱな感じのものでも、こまかいところの調整がけっこう大変。

動きのない部分は、すべての画のなかで同じ位置を保っていないといけない。
この画でいうと、馬の体幹、軸となる胴体の部分ね。
動画ソフトに入れてはじめて気づいたのだけど、1匹、どう見ても高さの変なのがいて。
なめらかに動きがつながらない。
そうすると、背景まで含めて手直ししないといけないし。

ひとコマの長さをどれくらいにすべきか、というのもけっこう難しい。
短ければいいってものでもない。
あまり短いと早回ししてるみたいになってしまう。
じっさいの馬が走ってるのと同じ感じの、しぜんな速度でないと。

あと音楽も、もう少し馬が走るリズムと合っていたらよかったな。
動画を見ながら、合わせて弾いたらよかったかも。
まぁでも凝りだすときりがないので、今回はとりあえず出だしのところだけ、だいたい合っていればよしとする。

それにしても、同じ馬を12回も描くの、めんどくさかったな。
単調で、飽きてくる。
以前、<アレクサンドル>の撮影のときに、シナリオの代わりに漫画のコマ割りみたいにぜんぶ絵で描いたことがあったのだけど、このときも、同じ人物を何度も何度も描かなくてはいけないのが、ほんとにめんどくさかった。
漫画家さんのアシスタントとかは、務まらないな、私。

まぁ、アニメ畑に行く気はないにしても、いちど自分でつくってみる、というのは悪くなかったと思う。

映画の歴史という観点からいうと、映画の誕生には、もちろん写真技術の発明と発展の系譜と、ほかにもうひとつ、写真とはまったく関係なしに発達してきたアニメーションの系譜、というふたつが関わっている。
今回つくったプラクシノスコープはじめ、いっぱいあるなんちゃらスコープというのは、基本、イラストを用いているのでおしなべて後者に属する。
それでも、私が今回参考にしたのはマイブリッジの、世界で初めて馬の走る動きをとらえた連続写真。
なので、今回の試作はこの両方の系譜を踏まえている、というわけ。




























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Posted by 中島迂生 at 02:54Comments(0)