2011年06月25日

旅行メモ2011 その16 サフロンにて4

24 Apl, Sunday

サフロン二日目、Town trail... 町のあちこちを歩いてまわる。

通りを渡ってすぐのところに町の教会があって、日曜の礼拝の賛美歌が歌われている。
日を浴びた芝生の上でしばしごろっとすする。

中世そのままの市庁舎の裏にはスタバがあって、でも外観も内装も前からあった建物そのまま。
コーヒーとブルーベリーマフィン £3.25-

色んな人びとが出入りするの、見てて楽しい。
若いカップルも、年取った夫婦も来てお茶飲んでゆっくりしてあれこれ喋ってる。
なんかやってることがみんな変わらなくて微笑ましい。
サイクリストたちの一団がさしかかって、みんなで店の外のテーブルでコーヒーを飲んでいたりもした。

それから以前も何度も来てる、Audley End へ向かう木立とメドウのフットパスをずーっと辿る
この道、あの木戸、ここで流れを渡って
 原っぱをひとつふたつ抜けて
流れとレンガ塀にはさまれた小暗い木立の道
休みの日で人がいっぱいの敷地内の広大な庭を抜けて
そのまままたレンガ塀に沿って町に戻る
家並の中を通るフットパスを抜けてハイストリイトへ
Quite a long walk

渇いた喉をエールで潤したくてカウンターで待っても、いっこうに注文をとってくれないパブに愛想尽かして
中東系の人たちがやってる町のケバブ屋さん
A.B.C.BBQ in George St.
チキン・チップス £2.50-
前来たときと味も値段も変わってない
ひょっとしたら店員さんも変わってなかったかも

それからこれも変わらない、ポスト・オフィスにもなってるCostCutter で色々買い物して帰る。

レセプションにはマイクと、もうひとりのスタッフのサムという若い男の子がいて、色々喋る。
サムはオーストリア人で、彼女がケンブリッジで勉強してるのだという。
サフロン周辺は美しい町々がいっぱいあるのに、仕事に追われてあまりあちこち行ったことがないという。

会話はいまだに得意じゃないのだけど、マイクたちとはふつうに喋れる。
というか、むしろ話すことが次から次へ、とめどもなく溢れてきて、どこで会話を打ち切ったものかいつも悩む。
感性が似てると知ってリラックスしてるというのもあるだろう。
たぶん変な言い回しもしてるのだろうけど、ふつうに意味は通じてるし、相手があまり気にしてる風もないのでこちらも気にならない。

また、マイクが日本行ってみたいという話になった。
日本行って何したい?
と聞くと、温泉入ってみたい。と。
スノーモンキーのいる温泉があるんだろ?

えっ、スノーモンキー?

しばし固まったが、ニホンザルが頭に雪かぶって温泉に浸かってる図と合点。

ああ、スノーモンキーね。
猿といっしょに人間が温泉入ってるようなとこもありますよ。
ずーっと山奥行くとね。

と言うと、二人して大受けしてる。

じゃ、マイク、<渡航の目的>の欄に、「猿といっしょに温泉入りに」って書けるよ。
とサムが言う。
マイクが猿といっしょにいたら、どれが猿だか分かんなくなるね。

部屋に戻って、ビールを飲んで、疲れて少し眠った。
私はこの町に何しに来てるんだろう?

この町は、ただいるだけでいい。
ただ再びここいいることを楽しみたい、味わいたい、それだけ。

でも、あれから5年もたっているんだもの、少しは記録も残すべきじゃないかな。
そう思うと、ちょっと心が重い。
この町に来たんだからあれやらなくちゃとか、あそこ行かなくちゃとか、あそこの写真を撮らなきゃとか、そういうの、ちょっとイヤだな。
でもやりたいし。・・・

こういう美しい町にほんとに住んで生活してるということが、どういうことなのかほんとうには知らない。
期限なしで今日も明日も、ずーっとここに住んでるんだぜこの人たち。
ほんとに同じ人間なのか? みたいな。・・・

たとえばひとつの町に越してきて、だんだん行動半径が広がって、色んな店や道を知っていく。
そういうスポットが、この国には5つも6つもある。
訪れるほどに、さらに増えてく。
だからまだとても飽きられないよ、ムリだ。
サフロンでさえ、まだ知らない小路があるもの。

夜、またぶらっと出掛けたら、宿より町の外側にまた一本、Swan Meadow Park へ通じる道を見つけた。
この道、前に知ってたかな?
絵に描いたような古い街並み、ほんとにすてき。
これは明日、写真を撮りに来なくちゃ。
あまりにのどかでラヴリーで、少し悲しくなって帰る。・・・

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Posted by 中島迂生 at 23:17Comments(0)英國紀2011

2011年06月25日

旅行メモ2011 その15 サフロンにて3

そんな人生もある 2

さいしょの晩に会った、陽気な若い4人組。
ポーランド人とスペイン人と日本人の女の子、それにアルゼンチンの男の子。
istu という寿司チェーンのロンドンの店で働く同僚仲間なのだという。

はじめistu と聞いた時には知らなくて、ピンと来なかったけど、その後ロンドンで2,3店舗見かけた。
ヒースローの中にも入っていた。

夕食のあと、<たのしい川べ>にでも出てきそうな居心地のいい居間で、みんなでノリノリで歌をうたいながらジュンガをやって盛り上がっていた。
私も半ば強制的にひっぱりこまれていっしょにジュンガをやるはめに。

日本人の女の子は、その年よく見かけた胸元の大きく開いたデザインのサマードレスを着こなして、物腰といい口のきき方といいすっかり現地慣れした感じ。
はじめ洗面所ですれ違ったとき、完璧無視された。
あとで居間で会って、「日本人だったんですねー」と。
うわー、やな感じ。
でも、気にしないことにする。

こういう感じの子は、どこ行ってもいる。
あまりにふつうに向こう慣れして、ちょっと押しが強すぎて、かなり鼻につく。
でも、本人はとくに悪意がないのだから、そういうものと思って接するしかない。

話聞くと、2年近くイギリスにいるのだという。
さいしょワーホリで来たのだが、延長してもらったのだという。

えーっ、そんなことできるんですか?

うん、いろいろ調べて、聞いてまわって。
こんど一回日本に帰って、すぐまた戻るの。
こんどは留学ビザで来る。
7月から、留学ビザでは就労がいっさい禁止になるの。
ひどい話でしょ?
だから、6月のあいだにまた来る。

さいしょ聞いたときは、羨望でキューンと身が引き締まる思いだった。
何が何でもイギリスにいたいんだな、この子。
まぁ、それは私も同じだけど、でも・・・
でも、ここまでなりふり構わずしがみつく根性は、正直私にはないな。

この子と自分の立場を入れ替えられるとして、今さら寿司チェーンの店員としてイギリスにとどまりたいと思うだろうか。
イギリスで仕事をするなら、私はやっぱり、自分のライフワークに係わる仕事をしたい。
文学とか舞台に係わる仕事を。
そして、最終的には自分の夢をかなえることを・・・イギリスで自分の本を出す、自分の作品を舞台にかけるということを目指すだろう。

この子が、ただイギリスにいつづけるというほかに何を目指しているのかは知らないけれど、たぶんそれは私と同じものではない。
だから私は私で自分の目指すもののために、別な仕方で努力しなければならないのだろう。
そして、何をどう努力するかというところから始めて自分で見つけ出していかなくてはならないのだろう。


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Posted by 中島迂生 at 05:27Comments(0)英國紀2011