2011年06月15日

旅行メモ2011 その13 サフロンにて

23 Apl

渡り鳥が帰るように
いつも必ず訪れる場所がある
サフロン・ウォールデンは私にとってそんな町のひとつ

中世からの歴史ある古い街並み
サフロンはサフランで、昔サフランの栽培をしていたらしい
よく知らないけど何かクウェイカー教徒とのつながりが深いらしい

ハイ・ストリートにバスで着いたのが夕方の4時くらい
宿のレセプションが開くのが5時だから、ちょっと時間をつぶさなきゃ
でも荷物重いからあまり動きたくない

Key Hotel のひとつ手前でしぜんと足が路地へ向いて 気がついたら Cafe Cou Cou が目の前にあらわれた
町じゅうでいちばんゆっくりできるところ
5年ぶりなのに体が覚えていたみたい
5年ぶりだけど全然変わってない

白とナチュラルウッドで、室内はもとより、階段から廊下からトイレまで統一された簡素であったかい調度

白壁に白いチューリップの絵を飾るセンスってちょっとすごいよね

お店の女の子たち、みんな金髪に黒のメイド服が似合ってほんとに可愛くて
よっぽど写真撮らせてくださいって声掛けようかと思ったけど忙しそうで気が引けて撮りそびれた

コーヒーと、ぱっと目にとまったので Rocky Road
白とピンクのマシュマロをまぜこんで固めたチョコレートケーキ
両方で £5 くらい

5時で閉まっちゃうところもよくよく古風だ

   ***

サフロン・ウォールデンのユースの建物は、なんとイギリス最古
15世紀くらいのハーフ・ティンバー
木組みがすごく密で、ハーフ・ティンバーでもイギリスがまだ緑豊かだった早期の建築であることを示す

レセプションで待ってた顔がなんか見覚えあるなと思ったら、5年前と同じマイクだった
顔は変わんないけど横にずいぶん大きくなってたな
向こうもあたしのこと覚えててくれた
しかもなんと名前まで

うれしくて話が弾んだ
好きな話題だとなぜか語彙にも困らず、いくらでも話せる
マイクとは感覚が合う
あたし、イギリスでも変わり者に見られることが多かったのだけど
こんなにしつこく何度も来るほどこの町が好きなのを、マイクは分かってくれる
日本では民間の古い建築が法律で守られていないことを、いっしょに嘆いてくれる
電車に乗るよりわざわざ時間のかかるバスを選ぶほうに共感してくれる

日本の震災のごたごたを知ってて、大変だったねって
それでいまこのときにまたイギリスに来たわけを説明する

Then I thought, if I were to die tomorrow, what should I do? ...Go to England!!! So that's why I'm here again.

でも、こっちでもショッキングな話があった
歴史あるここのユース、7月で閉まっちゃうんだって
ほんとは3月で閉まる予定だったんだって
まあ、建物自体が壊されることはないけどね
あとで見たらたしかに sale agreed の sign があったけど、何と! ショック

Things change, things come and go!
So that's now I admire my decision!
How lucky I am, so this is my very last chance to be here anymore!!!

けど、閉めたあと半年か1年くらい旅に出ると言っていた
日本にも行きたいって
それはいいね
じゃ、日本に来るときは連絡してね
案内するから

チェックインして、荷物をおいて、それから食堂や、居間や、寝室や、それから中庭に出て、庭木や日時計やガーデンテーブルのあいだをゆっくり歩きまわる

レンガの壁や、階段の窓にかかってる青灰色のこまかい柄の木綿のカーテンや、中庭に向かって開けっぱなしのドアのところに、庭を眺める用に置いてある木の椅子や、花の散りかけたりんごの木や・・・
ほとんどなんにも変わってない
ああ
帰ってきたな

夜、ぶらっと町の散歩に出かける
ハイ・ストリート沿いにいくつもあるパブには人がたくさんいて、みんなガヤガヤしゃべってる
地元のコミュニティって感じで入りづらい
結局どこも入らずに帰ってきた

なんか悲しくなった
もう累計半年はイギリスにいるのに
でもまだたったの半年か
ほんとはもう この国に飽きたい
何度来ても結局同じ、来てもしょうがないじゃん、みたいになりたい
とっくに日本に飽きてるように
この国にも早く飽きたい

でもとてもまだ
あまりに美しくて あまりに汲めども尽きせぬディテールがありすぎて
とてもまだ・・・
何度でも来てしまう
イミグレはめんどくさいし 荷造りは大変だし 重い荷物もってうろうろするのもうんざりなのに
I cannot grow it out yet
Way too far...

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Posted by 中島迂生 at 04:49Comments(0)英國紀2011