2017年09月06日

北ポルトガル紀行2017 4日目*ひきつづきブラガンサ


 

6月24日 4日目*ひきつづきブラガンサ

先の2日間で、モンテジーニョ国立公園内の村々をまわるという目的が果たせたので、この日から改めて、拠点ブラガンサの町を探検。
この町には古いお城があって、その敷地内にまた目的地が二つほどあり。

 

お城の手前には町の中心となるいい感じの古い家並が広がっているのですが、この日は諸事情により、裏手からお城に到達。
とちゅう、なかなか味のあるオンボロな家々。

 

 

高台にあるお城はぐるりを城壁に囲まれて、その中に教会や民家もあり、小さな町のようになっています。
ブラガンサのお城。がっちりとして、要塞的な。

 

お城の敷地内にある教会とその内部。

 

その裏手が、目的地のひとつ、Domus Municipalis、昔の市庁舎にあたる建物。
これ、今回この地方を訪ねるきっかけとなった「トラス・オス・モンテス」という映画の中に出てくるのです。こちらもがっちりした石造り。

 

 

目的地もうひとつ、民俗博物館。
この変てこな衣装は何かというと、この地方で2月のカーニバルのときに村を練り歩くためのもの。
この地方もケルト文化だそうで、伝統音楽にはバグパイプが使われるそう。
そうした民俗学的背景についてはほとんど知らなかったのですが、なるほど!と腑に落ちるところがありました。
映画「トラス・オス・モンテス」のアプローチなど、どことなくイェツやグレゴリー夫人の採話したアイルランドの民話の語り口に似ている感じが。
素朴な中にも神秘的・幻想的なところがあり、ときどき説明なしにいきなり話がポーンと飛ぶ、シュールなところがある。
監督が詩人でもあることもあるのでしょうけど、どうもこの土地の魂自体にどこかそういうところがあるような気がするのです。

 

博物館の最上階には、この地方をはじめ、各地の仮面や民族衣装などを紹介した本がいっぱいあって、見入ってしまいました。
これはそのひとつ、ポルトガルとスペインのいくつかの地方を取り上げて、それぞれのカーニバルの風習を取材したもの。

 

こちらがブラガンサのカーニバル風景。とにかくカラフル!
仮装行列が町を練り歩いたのち、広場に作られた巨大な悪魔の人形が、藁と一緒に盛大に燃やされて終わるもよう。



お城の敷地内のレストランで昼ごはん。
ポークサンドです。やわらかく煮てツナのようなポークがはさんであります。けっこう塩辛かったかな。
はじめて頼んでみたレモンビール、おいしかった。

 

 

お城の高台から下って、帰り道、町の中心部の古い家並など。

 

この日もカンカン照りの暑い日で、いったん宿へ。
日が落ちて涼しくなってから再び探検に出ました。
すると動きやすくて、あちこち歩きまわっているうちに結局またお城まで来てしまった。
いちばんの発見は、高台のお城の敷地内に、実に楽しくごちゃっとした路地を見つけたこと。
これは明日、もういちど撮りに来ないと!!

ところで、自分がものすごい方向音痴なのは認めますが、「お城」っていうとどうもカフカの「城」の、なかなかたどり着かないイメージが・・・。
予感どおり、一度目は行きも帰りも道に迷って大変だった。何度も、「さーて、私は一体どこにいるんでしょう?」みたいな状態に。

しかも、道に迷ったうえ暑さで頭がボーッとしていたのか、私、カメラをどこかに置き忘れたらしいのです。
そんなこと、かつてなかったのに。
自分では、まったく気づいてもいなかった。
何やら後ろから必死に呼び止められて、振り向いたら「これ、あなたのでしょう?」って。
驚愕しつつも、なぜ私のと分かったのかもナゾ・・・。

忘れたといえば、ブラガンサ滞在中、サングラスもいちどなくしたらしいのです。
こちらも全く自分では気づかず。
夜、私の部屋にいきなり知らない人が来て、「これ君のだよね?」と渡してくれ、「えーっ、なぜ分かったのですか?」とびっくりしてると、「君のね、よかった。じゃあね」と行ってしまいました。・・・

連日ずっとカンカン照りの強烈な日射しでしたので、サングラスなしでは外を歩けたものではありません。
何だかよく分からないけど、ふしぎな力に守られてる感じが。
何しろケルトの土地ですから、そんなこともあるのでしょう。。



  

Posted by 中島迂生 at 18:18Comments(0)ポルトガル紀行2017

2017年09月06日

北ポルトガル紀行2017 5日目*ひきつづきブラガンサ


 

 

 

朝のブラガンサの町並。

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6月25日 5日目*ひきつづきブラガンサ

 

 

 

前の晩に見つけたいい感じの路地を撮影しに、またお城へ。
この日は日曜で、午前中はお城に登るのが無料だったので、登ってみました。
が、いちばん登りたかったてっぺんの塔へ上がる部分は、がっちり封鎖。チーン・・・。

 

 

 

こまごまとした路地をあちこち探検。
高台の城壁の中に村がそっくりひとつ、麦畑まであるのです。

 

 

 

城壁の中の路地はほんとにいい感じで、いっぱい撮りました。
城壁の上もひとまわり。曇っていたけれど日が昇るにつれ、空にお椀をかぶせたように蒸し暑く、あまりの暑さにくらーっと眩暈がしてきたほど。



城壁の中の、前日とは別のレストランで遅い昼ごはん。
少し軽く食べたい気分だったので、メニューにはなかったけれど「サンドウィッチなどありますか?」と聞いてみると、ターキーサンドを作ってもらえることになりました。
これがほんとに絶品!! 写真がないから、またイラストね。
薄切りの冷たいターキーを想像していたら、衣をつけてフライにしてくれていて、かりっと固くきれいに揚がって油こくなく、ほのかにレモンの香り。
こんなにおいしいターキーははじめてです。はさんでるパンも美味。

ただ、ワインの量が・・・500mlのデカンタがどーんときて、「これが最小サイズです」というんだもの。
けれど、田舎ではそういうところも多かった。
初日に入ったレストランでも「グラスワインを頼みたいのですが」とジェスチャーで一生懸命頼んだのですが、ボトルでどーんと出されてしまい・・・。
そもそもグラスワインという頼み方がなかったみたいです。
しかし、ボトル一本とか、デカンタとか、一回の食事では無理ですって。
この日も少し頑張ったのですが、帰り道、かなり酔いがきました。
でも価格的にはとてもリーズナブルで、ボトルでパリで飲むグラス一杯くらいの感じ。

 

 

さてお城をあとに、町へ戻ります。

 

お城へ登っていく坂道の途中にいつもいて、いつも遊んでくれる愛想のよいコ。
あまりに愛想がよすぎて、服もリュックもすっかり毛だらけにされてしまい、取るのが大変だった・・・。

 

 

 

そのあと、歴史博物館でいろいろ見て、それからまた、夕暮れ迫るおだやかな光のもと、あちこち町を撮って歩きました。
明日はポント・ド・リマという町へ移動です。






  

Posted by 中島迂生 at 20:55Comments(0)ポルトガル紀行2017

2017年09月06日

北ポルトガル紀行2017 6日目*ブラガンサ最終日&ポント・ド・リマへ


 

 

 

6月26日 6日目*ブラガンサ最終日&ポント・ド・リマへ移動。

朝のパキッと明るい日差し。いつも通っていた広場の公会堂的な建物、ふらりと入ってみると、意外な中庭があったり。
ブラガンサの最終日、さいごにゆっくり町歩き。珍しく買い物も少し。

  

 

自転車の置物が目印の雑貨屋さんで買った瀬戸物の小物入れと、別のお店で買ったワンピース。
こういう感じの寒色系の綺麗な色の服が大好きで、すでに山ほど持っているのですけどね。
あ、これは私の色!って思うとやっぱり買ってしまいます。
でも、パリに住んでからはほんとに服を買わなくなって、今年ではじめてくらい。いや、去年の夏以来だ! 

ポルトガルの田舎の服屋さんって、日本の昔ながらの商店街の服屋さんと、ほんとにそっくり。
そこでフランス語を喋るガタイのいいお兄さんが「オラー!」と出てくるのでふしぎな感じ。
「それ、さいごの一枚なんだよ。セールで安くなってるよ!」って、言うことは一緒だったw



お昼はさいごに、広場の近くの軽食堂でビファーナというお肉のサンドとタラのコロッケ、レモンビールを注文。
ビファーナはポルトガルの国民的な軽食です。
注文してからおかみさんがお肉を焼いてくれて、日本のしょうが焼きみたいな感じ。
塩味に、ほのかにショウガとにんにくがきいています。
お肉をパンに挟むってあまりやったことなかったけど、肉汁がパンにしみてなかなかいけます。
レモンビールは、お城のそばのレストランではじめて飲んだもの。
ビールというよりレモネードに近く、2%で、全く酔いません。

 

 

その後、長距離バスを3本乗り継いで、西北部、リマ川の河口から少し遡ったところにあるポント・ド・リマという町へ。
ここは一泊だけ。
ほんとは北海岸の町に滞在したかったのですけど、ちょうど空いてる宿がなくてここになりました。
ここから足をのばして海岸へ行けるかなとも考えていましたが、どうも一泊だけだとそんな余裕ないですね。
川岸のきれいな町でしたが、とにかく、バスステーションから宿まで遠くて、辿りつくだけで疲れ果てました。
タクシーも見つからなくてね。

やっぱり一泊だけというのはいけません。
荷物を宿に置いておくひまがないので、町歩きも結局持ったまますることになります。
こんどこの地方へ来るときは、極力一ヶ所に滞在型の旅にしよう。

ブラガンサに5泊したのはよかったな。そこを拠点に、フットワーク軽くあちこち行けて。
今後はあんな線でいこう・・・。


  

Posted by 中島迂生 at 21:24Comments(0)ポルトガル紀行2017