2008年09月10日

初演予定作品の舞台化について

 
 こちらもおもに団員の方々向けの記事です。

●初演予定作品<エニスの修道士>の舞台化について

 すでにお伝えしている通り、私のアイルランドシリーズ第一作のこの作品を、わがバリリー座の初演にかける予定なわけですが。
 皆さま、ご感想はいかがだったでしょうか。

 とりあえず、脚本係の方はというと・・・ あー! じっさいやってみて分かったのですが、ほんとに舞台化むずかしいです、この作品は。
 
 今まで放っておいたわけじゃないのです。
 いちどはいわゆる一般的な演劇の形式、ステージをフルに使ってセットがあって場面転換があってセリフのかけあいでストーリーが展開してゆく、というかたちで半分くらいまで書いてみたのですが、・・・なんかどうも、そういう現在の一般的なスタイルにはなじまないようなのです。

 あー・・・のっけからちょっと間違ったかな、別なの初演にすればよかったかな、という思いがよぎったことも。
 たとえば、<大岩>なんかだったらスタンダードな舞台のスタイルでばっちりいけるでしょう。
 あれなどはとてもドラマティックで、ハムレットとか、ラシーヌの<フェードル>とかに通じるものがある。
 (自慢してるわけじゃありません。どうぞ誤解なく。何度も申し上げるとおり、すべてはもらったものですから。)

 だけど、<エニス>の場合、ドラマティックな筋立てというのはあまりなくて、むしろ淡々とした日常の日々が進んでゆくなかで、登場人物の心がしだいに変化してゆく、いわば一種の心理劇みたいなところがあるんですね。
 それをいかにしたらふさわしく表現できるか。

 ゆきづまり、ゆき悩んだすえ、目下の結論は・・・ 一般的なスタイルではなく、例えば日本の能のようなかたちで、シンボリックにやってみたらどうか、と。

 というわけで、目下その方向で検討中。

 <能について>のカテゴリに、私なりに能についてまとめています。
 ご興味ある方はどうぞ。

 中島 迂生

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Posted by 中島迂生 at 00:13│Comments(0)バックステージ
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