2010年08月31日

中島迂生ライブラリー

中島迂生ライブラリー

サングラスをかけたライオン

 ジャングルの中で、象といっしょに住んでいる7才の少女トザエモの物語。
 ある日、久しく連絡のなかった母親からのことづてを発端に、次々と事件が起こり…。
 14才のときの作品です。ポール・オースターの<幽霊たち>を読んで、あんなふうな斬新な作品を書いてみたいと思って構想しました。
 のちに少し推敲してすっきりさせましたが、文章はほぼそのまま。

Kindle版
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CBFD8WHH
章立てと挿絵もさらに増やしてリニューアル。
パソコンからもスマホからも読めます。
Kindle inlimited ならいつでも無料。

note
https://note.com/ussay_nakajima/n/ncd7f678cda00
Kindle版と同じ内容をこちらからも読めます。

じゅずかけばと  

 運命の命ずるまま、仲間とともに世界じゅうをさまよい旅する少年ボルビーゲルのゆきつく果てとは。
 これも14のときの構想で、前半3分の1ほどは当時の文章そのまま。
 ハドソンの The Green Mansion (「緑の館」)や Little Child Lost (「夢を追う子」)がとても好きでした。
 ああいう神秘的で異教的な雰囲気が色濃く出ていると思います。

うるわしのフォーリヤ

 天国のような美しい土地にひとり暮らす少年ヴィクトールと、ある日出会ったふしぎな生き物ジョルジョムをはじめ、
 さまざまな隣人たちとの織りなす日々の暮らし。
 2002年頃の構想。「理想のすみか」のエッセンスをぎゅっと詰めこんだ小さな宝石箱のような小品。
 オタ・パヴェルとか、そういう東欧の田舎っぽい雰囲気かな。

潮騒のスケルツォ  

 北ポルトガルの寒村、灯台守の家に暮らしはじめた孤独な作曲家グレゴールと、その調べに魅せられた人魚とのひと夏の物語。
 構想は2003年くらい。7年後に時を得て書きあがりました。
 「灯台に暮らす」というイメージはたぶん、ドーデの<風車小屋だより>のコルシカ島の章から。(当時は意識していなかったけど)
 雰囲気的には、マルグリット・デュラスっぽい。<モデラート・カンタービレ>みたいな。


夏の物語「魔法使いナンジャモンジャと空飛ぶバイオリン」(中篇)
note
https://note.com/ussay_nakajima/n/n2843d34eddee

ある日突然空を飛び始めた、小さな町のデパート、ラ・フォンテーヌ。
ユマとリオナは、それがとあるバイオリンと関係あることを突き止め、魔法を解くため冒険の旅に出る…。
この物語は、基本、12歳のときに書いたものです。
友だちと二人で町のデパートに行ったところまでは実話。
書き上げるとその友だちにあげてしまったので、私の手元には残っていません。
さいきんもう一度読みたたくなり、思い出しながら復元して書きました。


冬の物語「黒山羊の家の紡ぎ歌」 (中篇)
note
https://note.com/ussay_nakajima/n/n41cddf7fbe91

至急電報を受け取ったグレゴールは、雪に閉ざされた山奥の「黒山羊の家」にやってきます。そこから奇妙な世界に巻き込まれ…。
これも14才のときの構想で、「サングラスをかけたライオン」とほぼ同時期。
でも難しくて、当時書けたのは7割ていどまででした。
いつか書き上げたいなとずっと思っていたものです。


秋の物語「ポプラ小路のハロウィンニャンコたち」(短編)
note
https://note.com/ussay_nakajima/n/n10a3ac0dffc9

霧にけぶる10月の夕暮れ 街灯のぼんやりした光が石畳を照らすころ
手に手にお菓子の袋を抱えたニャンコたちが そっと闇にまぎれて
秘密の会合へ急ぎます
魔女の仮装に身を包み 物置から引っぱりだした箒にまたがったら
風を切って 夜空も飛べそう…
パリの片隅に住むネコたちの一夜の冒険。

小説「アレクサンドルⅢ世橋」
https://ballylee.tsukuba.ch/c14979.html
19世紀、第二帝政末期のパリ。
貧しい踊り子のシルヴィーは、気鋭の実業家ジュスタンに見初められて一躍トップの座に。二人は手に手を取って荒波の中を登りつめ、頂点を目指すが、突如、不可解な夢のような出来事に巻き込まれて…。
夢幻譚のようでもありつつ、ギリシャ悲劇のように重厚な一篇。

(ノベライズ)
トラス・オス・モンテス ノベライズ

 <トラス・オス・モンテス Tras-os-Montes >(1976年、ポルトガル、アントニオ・レイスとマルガリータ・コルデイロ監督、108分、35ミリ、カラー)
 という映画作品があまりにすばらしかったので、備忘のため勝手にノベライズ。  
「ポルトガル現代詩を代表するアントニオ・レイスが、マルガリータ・コルデイロとともにつくった初長編。
 川遊びに興じる子供たちの姿を中心に、遠い山奥のきらきらと輝く宝石のような日々を夢幻的な時間構成により浮かびあがらせる。
 公開当時、フランスの批評家たちを驚嘆させ、のちにペドロ・コスタにも影響を与えたという伝説的フィルム。」
 -当時見たポルトガル映画祭のパンフの紹介文より。

詞華集 カフェ・ジュヌヴィエーヴ

 おもに16から19歳くらいの頃に書きためた小品のうち、なんとなくノスタルジックな感じのを集めたもの。
 カフェ・ジュヌヴィエーヴは旅行雑誌のスナップや昔のパリの写真集なんかからつくりあげた架空のカフェで、当時の私の心の中にあったカフェのイデー。

夢想集 ムーア・イーフォック

 16から19歳くらいの頃に書きためた小品のうち、ちょっと不気味だったり訳わからない感じのものを中心に。
 ムーア・イーフォックはディケンズのエピソードから。あるときコーヒー・ルームのガラス戸を開けて入ろうとしたら、
 ガラスの文字が左右逆に映ったMOOR EEFFOC という文字が目に飛び込んできて、その瞬間まざまざと、荒涼としたイーフォック荒野の情景が広がったのだという。
 日常のふとした瞬間に突如出会う異界の感覚。

随想集 Down to Earth-わが心 大地にあり-

 2001年ころから2004年6月までの、ある恋の記録。
 といっても、じっさいのエピソードというより、イメージの描写とか、心象風景みたいのがおもです。
 ものすごくエネルギーをかけて、上質な仕上がりになったと思うので、いまも満足のゆく作品。

愛蘭土物語(あいるらんどものがたり)

 西の果てアイルランドの大地から託された、16篇の壮大な太古の物語。
 現地を旅した2004年から2010年くらいまで、執筆に7年くらいの歳月を費やした大作です。
 劇団バリリー座上演作品<エニスの修道士><風神の砦><石垣の花嫁><湖底の都>もこちらに収録。
 姉妹篇に<瑛瑠洲物語(うぇーるずものがたり)>があります。

瑛瑠洲物語(うぇーるずものがたり)

 上記、愛蘭土物語(あいるらんどものがたり)の姉妹篇。
 風吹きすさぶ北ウェールズの山々から託された、12篇の暗くドラマティックな物語。
 こちらは現地を訪れたのが2004年と2006年で、やはり2010年くらいまでかかって書き上げました。
 とくに<魔の山><異界の丘>は圧巻です。(ちょっと前置きが長いけど)
 これらのシリーズはみな「やってきた」物語で、自分で考えたわけではないのでね。

ホテル・ノスタルジヤ

 パリ14区、モンパルナスの片隅にひっそりと佇む小さなホテル。
 ある日ふらりとやってきた少女イレーヌは、メリーゴーラウンドから逃げ出した小さな美しいペガサスを
 匿うはめになり、さまざまな騒動が…。
 構想は2005年ころ。当時まだ訪れたことのなかったパリを舞台に、空想のままに楽しんで書いた小品。

海岸通りのデュラスへ~いくたび嵐に打ち墜とされて翼を折りながら、なおも風をまって求め続ける飛翔についての物語~

 劇団を活動停止してから、2012年にはじめてフランスを訪れ、マルグリット・デュラスの軌跡をたどる旅を通じて移住を決意するまで。
 なので、ほぼほぼノンフィクション。文体は、やはりデュラスっぽいと思います。
 実はフランスでさいしょに通った語学学校に、奨学金の申請のために提出したもの。
 この作品のおかげで奨学金、無事通りましたw

(翻訳)
オーチャード、グランチェスター

 英国ケンブリッジの郊外の静かな村、グランチェスターのはずれにある、伝説的なティールーム<オーチャード>の由来を記したリーフレットの日本語訳。
 この場所は20世紀初頭、詩人のルパート・ブルックを中心とする<グランチェスター・グループ>の集う憩いの場となっていた。
 このリーフレットは<オーチャード>に無料でおいてあり、気軽にこの場所の歴史に親しめる。
 この訳をネットでさっと見られたら、当地を訪れる日本人にとって便利だろうなと思って2007年くらいに訳出。

竜一点描

 昔、母校である竜ヶ崎一高を卒業するとき、中島迂生がノートに書き残していった小品。
 当時、色んな先生方からあたたかい感想をいただきました。
 今もいただく。ありがたいことです。

創造的な不幸―愛・罪・自然、および芸術・宗教・政治についての極論的エッセイ―

 大学の卒論。
 主題や内容は、なかなか興味深いと思うのですが、文体が…残念ながら、
 ちょっと無意味に難解すぎて、あんまり読む人のことを考えてるとは言いがたいかも。
 学内誌への掲載をめぐって、大学側とごたごたした。

映像作品<Je peins avec les yeux de mon cœur 心の目で描く人 ─祖父・中島三郎の物語─>
https://youtu.be/_GgpQRWchvk

”いちど母が聞いたことがある。「目が見えないのにどうやって描いてるの?」
すると、祖父は答えた。「心の目で描いてるんだよ」…”
祖父・中島三郎の生涯と作品を、本人の油絵と、私の文章と、合計100枚ほどの絵画で綴った物語。パリ第8大学院映画科の卒業制作。仏語ナレーション・日本語字幕。

Ma mère lui a demandé une fois :
"Comment peux-tu peindre sans voir ?"
Alors il a répondu :
"Je peins avec les yeux de mon cœur"
L'histoire de la vie et de l'art de mon grand-père Saburo Nakajima, racontée à travers ses propres peintures à l'huile, mon texte et un total d'environ 100 dessins. Film de fin d'études de l'Université Paris 8, Département Cinéma.
Voix-off en français, sous-titres en japonais.

<Je peins avec les yeux de mon cœur 心の目で描く人 ─祖父・中島三郎の物語─>Kindle版
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CCKB2ZTN

映像作品ではカットした部分も含め、電子書籍にまとめました。
日本語・フランス語併記。
Kindle Unlimited ならいつでも無料。


(2023年8月更新)


























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