2021年04月03日

翻訳デビューから3ヵ月、感想など。。



(釣り雑誌<RIPPLE>の創刊号。画像をクリックするとサイトへ飛びます。
釣りに興味のある方は、ぜひどうぞ!)

こちらは英訳ではじめて仕事をいただいた釣りのウェブマガジン。
一冊の雑誌を丸ごと任せてくださいました。
始めたばかりで全く実績のなかった私に、光栄なことです。
知識とセンスと経験を総動員して、全力挙げて仕上げたのは言うまでもありません。
おかげでちょっとだけ釣りにも詳しくなりました。

以来、それから色んな依頼者さんの色んな文章を手掛け。
いろいろと勉強になったので、少しメモしておこうと思います。
歌詞の英訳については以前に書いたので、ここではおもに文章の英訳についてね。

クラウドソーシングサービス<ココナラ>でお仕事を受けるようになってもう少しで3ヵ月。
なんだかランクがいろいろとありまして、少し前まで私は<レギュラー>というランクだったのですが、気がついたらいろいろ飛び越して<ゴールド>というランクになっていました。
イラストと翻訳と2種類のサービスをやってます。
イラストはいまのところ、いちばんさいしょに来た1件だけで、あとはぜんぶ翻訳。
英訳と仏訳と両方やっていますが、やはり英訳の需要の方が多いようです。

翻訳のサービスを始める前は、私、Google Translate のような翻訳ツールって、ほぼ使わなかったのです。
フランス語でレポート書いたりするときも、いきなりフランス語で書いていた。
翻訳ソフトにはあまりいいイメージを持っていなかった。

以前、つくばの研究所で国際事務の仕事をしていたときのこと。
ハンガリー人の研究者が、ハンガリー語の事務書類を、気を利かせてGoogle Translate で日本語にして送ってくれたのですね。
だけど、それが、何が何だか分からないレベルで。
そのときのひどい日本語があまりに衝撃的で。
そのイメージが、大きかったのですよね。

でも、去年、院の授業で英仏翻訳をソフトを使ってやるやり方を習ったのです。
そのときに、先生が「ソフトっていうのは基本的に頭悪いんだよ。人間が知性を使って修正しないとね。それでも、一からやるよりは早い」と言っていて、なるほどと思って。
ブログでも以前に書いています。OmegaT というソフトを使った翻訳の授業ね。

あと、去年の夏ごろかな?
イギリス人の昔からの知り合いがものすごく久しぶりにメールをくれて、「君のブログを読んだよ。面白かったよ」って書いてくれていて。
えっ、私日本語で書いてるのに、あれ全部どうやって読んだの?!って思ったら、
「翻訳ツールで読んだよ。それで大体問題なく読めたよ」って。
へーえ、今の自動翻訳って、そんなに精度が上がってるもの?って思って。

それで、授業で読まなきゃいけない仏語のサイトとかを翻訳ツールで読んでみたら、ほんとに、けっこう問題なく読める。
これなら仕事にもつかえるなと思って、それから少しアレルギーがなくなって、使うようになりました。

いまは、まず翻訳ツールにかけてから、原文と見比べながら手作業で直していくようにしてる。
大方の人はそうやってるのだな、きっと。

英語のネイティヴだけでなく、英語が母国語ではない色んな人が読むことを想定して、なるべくシンプルで分かりやすい文体を心掛けている。
原文の意味は正確に置き換えるように気をつけるけど、文章構造など、まんま直訳でなく、少し手直ししたほうがいいなと思えるときは直しちゃいます。

もちろん、原文じたいがとてもすっきり整っていて、いい文章だなっていうときには、そのよさをなるべくそのまま伝えられるように気をつけて訳している。
でも、そういう原文ばかりではないの。
別にプロの文章ばかりではないのだから、それは当然。

人によっては、二重否定や逆接の接続詞の多用が癖になっていて、曲がりくねってややこしい文体だったりすることもある。
それでも、日本語で読んでる限りは、だいたいの文脈、方向性は分かっているし、あたらしい情報を無意識に拾いながら読むので、とくに気にならずにさらっと読める。
訳す段になってはじめて気になってくるのね。

そういうときは、訳のなかでしれっと手直ししてしまいます。
二重否定はふつうの肯定文に置き換えてしまったり、逆接の接続詞も、単なる癖で、意味としては単純逆接だったりする場合はカットしたり。
なんか、道路を舗装することだけ頼まれているのだけど、あまりに曲がりくねってやりづらいので、道路自体をまっすぐに直しながら舗装を進めていく感じ。

あとは、あんまり長い文は二分割したり、この要素はとなりの文に移動したほうが収まりがいいな、っていう場合には移動しちゃう。
あと、同じ言葉の繰り返しがあまりに多くてくどいなというときは、適当に間引いたり。
そういうことはやっちゃいます。
今のところはみんな大絶賛してくれていて、文句を言われたことはありません。

量をこなすうちに、翻訳者としての自分のミッションが見えてきた気がするんです。
ミッションというか、目標というか、裏テーマというか。
それはね、もちろん依頼者の方にあえて言うことはないけれど…
「できれば、(必要とあれば)原文よりさらにいい訳文を提供する!」ってことなんです。
これに尽きます。

外国語でよりよい文章、よりよい表現を追求することには終わりがない。
だから好きなんだな、きっと。
どんな文章を訳しても、何かしらあらたに学ぶこと、あらたに知る語彙や用語がある。
新しい単語をひとつ知るたび、100円玉を拾ったみたいにうれしい。
語彙は、増えれば増えるほどうれしいですね。
いくらあっても困らない。とくに英語はね。

逆に、それが日本語でのライター業が続かなかったひとつの要因でもあるな。
母国語で書いてる限り、何の成長もないですからね。
なんか、面白くないんだよな。
母国語の文章力なんて、だいたい十代のうちに完成してしまって、それ以上伸びることはない。

というか、それ以上にいろいろ覚えて典雅な文章や難解な文章を書けるようになっても、みんな読んでくれないんですよ。
受けないんだわ。
フランソワーズ・サガンだって、ご覧なさい。
70代で亡くなるまで一生書いていたけれど、18のときに出した<悲しみよこんにちは>を超えることはついにできなかった。
「超える」っていうのは「世間の話題的に」ってことね。

サン・テグジュペリだってそう。
<星の王子様>のあとも本人は大まじめにいろいろ書いたのに、みんな結局<星の王子様>しか読まないじゃないですか。
世間の人々って思いのほか、めんどくさいことが嫌いで、手軽に読めるのしか読まないんですよ。

私自身、今くらいの文章力はだいたい14の頃にはすでに完成していたと思ってる。
今このブログで書いてるくらいのレベルの文章はね。
というか、これ以上に難解な、論文みたいなの書いても誰も読みませんからね。

でも、これが外国語になると、まだまだ需要のある範囲で自分の中に伸びしろがあって、だから面白いんです。
「ここもっといい表現ないかな」って色々考えて調べたり、思いついたり、そういうのが楽しい。

そんなわけで、翻訳業、わりと楽しくやっています。
クラウドソーシングサイトでの私の翻訳サービスはこちら。
もしご興味あればどうぞ。

https://coconala.com/services/1517547
https://coconala.com/services/1517546





















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