2008年10月15日

10月13日、自然生クラブ+百景社公演


 13日、自然生クラブ+百景社公演atつくば山麓田んぼ。
 12日の前夜祭から2日がけの催しでしたが、私は2日目の午後だけ見に行きました。

 自然生は、<使徒列伝>。施設長の柳瀬さんがクリスチャンでいらっしゃるので。
 キリスト教からヨーロッパ的な虚飾を剥ぎ取り、その本質だけを日本の風景の中に置いてみようという試みで、田楽にのせて着物姿で使徒たちの生涯、殉教のようすなどを踊りで表現する。

 柳瀬さんの謡、笛、ほんとすばらしいです。声の調子、朗々と響いて。田楽とか、さっぱり知らないのに聴いてすばらしいと思うってことは、ほんとにすばらしいんですよ、ぜったい。
 踊りはいつもの面々、衣裳つけてお化粧して見た目にも楽しかった。
 ほんと天草時代のキリシタンみたいな素朴な感じでしたね。
 お化粧とか衣裳ってすごく大切だと思います。
 同じことをやっててもインパクトがぜんぜん違ってくる。

 百景社は<道成寺>。っていうか道成寺伝説の後日談みたいなやつ。
 郡虎彦さんという人が原作だそうです。
 百景社は前の<オセロー>も見ている。こっちもよかったけれど、個人的には道成寺の方が好きかな。
 台本のなかに繊細な自然描写がいっぱい入って、ゆたかにイメージが膨らんで。まぁ、この辺は個人的な好みですけど。
 衣裳も<オセロー>より華やかで、和洋折衷のフシギな感じの手作りのドレスなんかすばらしかった。さりげなくブラウスに鱗箔の三角形が縫いつけてあったりして。
 さいごに山全体が大火事で燃え上がって終わるくだり、田んぼに立てた木組みと藁の門にほんとに火をつけて燃やしてしまうという演出もすごい。
 おわりころには夕暮れにさしかかっているので炎が映えるんですね。
 そういうところも計算してるんだろうな。
 ただ、世代が若いせいもあるのだろうけど、役者さんみんなけっこう早口なんですね。セリフが観客の耳に入ってから、心の中で像を結ぶまでには少し時間がかかるものです。それが追いつかない・・・せっかくイメージ喚起力ゆたかなセリフなのだから、もう少しゆっくりしゃべったほうが断然いいと思うのだけれど。

 公演後役者さんのひとりと話して、いろいろお話を聞かせていただきました。
 バリリー座のこと知ってた。世界は狭し。
 そのほか、田んぼのなかに絵や彫刻なんかがたくさん展示されて、フシギで楽しい空間になっていました。
 背景にはでっかい筑波山。澄んだ空気、折よく天気にも恵まれて、美しい秋の一日。




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Posted by 中島迂生 at 01:54│Comments(0)演劇一般
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