2018年05月08日

妄想力の偉大さ




近所のニャンコ。お腹のふわふわ、タプタプ感がたまりません。

*******************

相変わらずマツコさんが出てる番組はよく見ます。
いまの暮らしのなかでその存在は偉大なるザ・<日本>であり、欠かせない癒しアイテム。
彼女のすごいところは、人への気遣いのこまやかさ、頭のよさ、話の面白さ・・・色々あるけど、
私がさいきんとくにすごいなーと思うのが、その妄想力の力強さ。

それはもうずーっと若い頃からのことだったみたいで、私が知ってる限り
・フィギュアスケーター
プログラムを毎年作る、それを家で踊っている(!)。それ用の、ステージと定めた一角が家にある。
・結婚式
披露宴のテーブルの配置や席次表(!)まで考えている。
・千葉の海辺の豪邸
自分で設計図ひいて、グーグルで勝手に土地探しして、「ここいいな」ってところ見つけて、
地価とあわせて総額の見積もりまで出している(!)。

あと、夢の話もあったっけ。
・パリコレに出てるデザイナー
夢の中ではふつうにフランス語でモデルさんにあれこれ指示していて、
さいごにはわーっと拍手で迎えられてステージへ出て行く、みたいな。
すごい楽しそうだw

私が知らないだけでほかにももっとあるんじゃないかと思って調べてみたら、
さらにいろいろ。
テニスプレイヤー、国際線のスチュワーデス、子持ち・・・

最大8人の人生を、妄想の中で生きていたそうです。
最大8人・・・すごいな・・・
すごい自由だし、可能性だよね。逃げ場でもあるし。
自分の「今」と「ここ」に縛られていない、ほかにもっと広い世界を持っている・・・

8人の人生を自分の中に持っているって、
世界中に家を8軒持ってるのと同じくらいの価値があると思う。
なんかとっても贅沢で、羨ましい。

マツコさん、「あたし無趣味なのよー」って言ってるわりには、車の運転もお好きみたいだし、
東京の地理なんかタモリさんと対等に語れるくらい詳しいし、
あれを趣味と言わないんなら彼女の「趣味」のハードル相当高いんだわって思ってた。

けど、さいきんふと思うに、あの人の最大の趣味は「妄想」じゃないかしら。
あれだけ忙しかったら、「自分」なんか飛んじゃうんじゃないだろうかってふつう思うのだけど、
それとはさらに別に、ちゃんと自分だけの世界をキープしてる。
それってほんとにすごいこと。

近所にときどき遊んでもらいに行く、でっかいニャンコがいるんです。
(ニャンコはでっかいのが好き。必ずしも健康によくはないよね、というのは分かってますが)
かわいいなと思うのは、あんなデカイ図体していまだに遊び心をもってるところ。
よくひとり遊びしてるんだ・・・。
風で枯葉がころころっと転がるのを見るとぱっと立ち上がって追っかけていったり
傘のストラップがぶら下がってるの見るとギラギラした目をして飛びつきたそうにしてたり。

子猫だったら遊ぶのは当たり前だから別にどうとも思わないのだけど、
いい年したオトナがそういうところ失ってないのを見ると、そのギャップがほんとにかわいいなっていうか、
なんか、すごいねって思うの。スバラシイ! 見習わなきゃ。 
マツコさんにも、そのニャンコとちょっと共通するものを感じるのです。



ああして今や「今」「ここ」があんなにも広くなっても、さらに別の世界を持ち続けている。
すごい才能と技術だ・・・
ご自分で「妄想」って言ってるからそう書いてるけど、つまりは空想力、想像力だよね。

空想力ゆたかな人って、自給自足で自分を養える人。
だから自分を養ってるその根っこがすごく滋養分にあふれ、密で深く、確固たる感じがする。
人としてアーティストとしての力量や持久力もたしか。
私が知ってる中では、たとえばフジコ・へミングさん、小林幸子さん、ジョルジュ・サンド・・・
やっぱり女性が多いかしらね。

マツコさんにとって<妄想>って、きっとほんとに本質的なものなのだろうな。
それがあるから自分の世界をもてて、均衡を保てている、みたいな。
それどころか、現実世界でどんどん新しい仕事につながる前哨基地みたいな役割も。

自分の源にもっとも近く接する部分では、いわば仕事に毒されない緩衝地帯・・・
ちょっと遊びがあって、文字通り、自分の中だけで遊んでいる期間がしばらくあって、
そのなかでゆっくり熟していって、満を持しておもてに出てくる、みたいな。

妄想ってしょせん妄想にすぎず、現実には大した影響を及ぼさないのかなと思いがちですが
意外にも、なりたい自分、やりたいことへの橋渡しをしてくれたりするらしい。
しかも、ふつうでは思いも及ばないような世界へも。

マツコさんの<妄想>がすごいのは、ぼやっとしたものではなく、
めちゃくちゃ細部までこまかく具体的であること。
テニスプレイヤーのときなんか、「十年くらい続いた」という、年季の入ったもので、
何年の全豪で何位で、どんな引退の仕方をして、そのときにどの番組に出て話して・・・って、
もう実在のプレイヤーのバイオグラフィーみたいにこまかい。
(それを伊達公子さんが「ふんふん」って聞いてるわけですw)

このこまかさ、具体性、なんかに似てるなぁ・・・と思って、思い出したのが、
ある自己啓発系の作家さんが「ほしいものは、時間を取って具体的に想像しましょう。
たとえば住みたい家だったら、間取りから外観から、入ってく時はどんな感じかとか、
映像を見るように・・・」みたいなことを書いていた一節。
つまり、これ、まさしく「引き寄せ」のやり方と同じだ!w

マツコさんの場合は純粋に楽しんで空想していたので、
別に自分がテニスプレイヤーとかになりたいわけじゃないということでしたが・・・
けど、直接自分がなるわけでなくても、じっさい、かなりの部分が現実化してる印象。

自分の好きなものや、妄想について折々番組なんかで語ることで、
結果として「ぜひお会いしたい」と、安藤美姫さんが番組に来てくれたり、
伊達公子さんが来てくれたり、都内の結婚式場でセレモニー体験したり、
現実世界でかなり近いところまでいってるし、しかもそれがお仕事になってるっていう。

もちろんそれにはほかにも、キャラやお人柄や、築いてこられた実績とか、
いろいろあるのは分かってます。
けど、そのもようをずっとリアルタイムで、テレビを通してみてるわけですよ我々は。
妄想力というか、空想力というか、そういう力が人をどれだけ遠くまで運んでいくか
ってことのリアルな証人として見てるわけです。
これはほんとにすごいこと。

私も寝るときくらいは楽しいことを考えようかなと思うのですが、
どうもさいきん、寝るときでさえ書きかけのレポートのつづきとかを考えてしまって
どうもほんとに自分でもつまんない人生だなと思います。
時間の使い方を考えないと・・・

子供のころなんか妄想のなかで生きてたようなもの。
そのなかから当時書いていたたくさんの物語も生まれてきたのです。
あらためて私も、また意識して妄想する時間を大切にしよう・・・。











  

Posted by 中島迂生 at 08:09Comments(0)巴里日記2018-5月