2017年09月18日

北ポルトガル紀行2017 12日目*ポルト3日目


7月2日 12日目*ポルト3日目、ほぼ最終日

 

この日は旅行のほぼ最終日でしたが、日中はずっと宿でのんびりしていました。
前の日にかなりの大冒険をして疲れたのと、殺人的な暑さで、あまり外に出るような感じじゃなかったので。
市内観光にあててもよかったのですが、あの人ごみを考えるとげんなりしてしまってね。

ポルトの宿は、町の中心からだいぶ離れているので、地図で見ると不便そうだなと思っていたのですが、じっさいにはとても快適です。
しずかだし海も見えるし、朝ごはんも出るし、宿のすぐ向かいにスーパーもあるし、バーは昼から夜中までやっているし、もうそこだけで生活ができてしまうほど。
まぁ、たしかに「ポルトに泊まっている」というよりは「ポルト近郊に泊まっている」という感じですが、町中があれだけ騒がしいので、かえって離れてしずかでいいです。

朝ごはんのあと、窓から海を眺めていると、ヨットが次々と帆を上げて、木立のあいだをゆっくり、沖へ出てゆくの。
中には真っ赤な帆のヨットなんかもあって、青い海にしみてあざやか。
あんな炎天下で隠れ場所もなく、暑くて大変だろうなと思う反面、やっぱり見ていると羨ましくて、何で私はヨットないんですかー?! ってなる。
いつか船を一隻手に入れて、猫といっしょに舟旅したい・・・っていうのがずっと目標のひとつです。
ポルトガル旅行もこうして叶ったことだし、こちらもそのうち実現できるはず。

 

 

 

日が落ちてから海岸沿いをずーっと散歩して、岬の灯台のところまで。
そのあとまた、宿の中にある居心地よいバーでまったり。
バーのお兄さんは超親切で、ありとあらゆることを色々教えてくれます。
時々、自国への批判や、リアルな実情の話題も。
私が、トラス・オス・モンテスの映画のことを現地の人が誰も知らなかったという話をちらりとしましたら、
「そうなんだよ。残念ながら、この国の人間はアートや、自国の文化を大切にしない」と。
彼のお兄さんはアーティストで、フランスに住んでいるそう。
ポルトガルでは仕事がなかったが、フランスへ移住したらすぐに見つけたそうです。

また、フランスへ移住したポルトガル人が差別されたり、子供がいじめに遭ったりという話は、私も聞いたことがありました。
正直、「同じ白人なのに、アホか」と思っていました。
けど、彼は「フランス人とか、ヨーロッパのほかの地域の人間は、ポルトガル人のことを100%の白人とは見ない。我々は歴史的に、アラブとか、黒人奴隷とか、色んな血が混じっているから」と。
けっこうショッキングな発言です。
それでも、正直、私などは、「それでも我々アジア人が受けている差別に比べたら・・・」と思ってしまうのですけどね。。




  

Posted by 中島迂生 at 22:18Comments(0)ポルトガル紀行2017

2017年09月18日

北ポルトガル紀行2017 11日目*ポルト2日目 北海岸へ


7月1日 11日目*ポルト2日目 念願の、北ポルトガルの海岸線へ遠征した日

 

ドウロ川河口の朝。水面にきらきらと光が踊ります。バスの窓から。

  

海岸線へ向かうバスを探すまに、またこのアズレージョの建物を通りがかりました。ほんとうに綺麗。

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北ポルトガルの海岸へ行ってみたい、というのがかなり昔からの思いでした。
相当昔からの。中学生くらいからかな。
北ポルトガルの海辺を舞台に短い作品も書いています。行ったこともないのに。
http://ballylee.tsukuba.ch/c6965.html

長くものを書いていると、自分で作ったわけではなく、物語がただ「やってくる」ということがあります。
私自身はただ、水を運ぶ水道管のように、「やってきた」物語を文字に綴っているだけです。
これはそのようにして「やってきた」物語のひとつです。
物語が「やってくる」ときは、映画を見ているように、そっくり映像で受け取るので、じっさいに行ったことがなくても描写に困ることはありません。

今回、北海岸に行ってみたかったのは、この物語の舞台となった町を探したかったから。
書き上げたはいいけれど、私自身はそれがどこの町なのか知らないのです。
でも、どこかにはあるに違いないのです。
これは、地名が分かっていて訪ねていくよりさらに難しく、ミステリアスです。

まず、交通手段を見つけるのがとんでもなく大変でした。
ポルトのバスステーションで、北海岸方面行きの時刻表ももらっていたのですが、今日は土曜日。
手元の時刻表ではバスの便が極端に少なく、行ったら明日まで帰ってこられません。
しかし、何とか方法はあるはず!

朝から町を駆け回って情報を探し、だんだん分かってきたのですが、同じバス会社の同じルートでも、特急にあたるような本数の少ないエクスプレス線と、時間はかかっても本数の多いローカル線とあるみたい。
私が持っていたのはエクスプレスのほうだったみたいで、それとは別の、ローカル線で行けそう。

そんなこんなで色々あって、やっとバスに乗り込んだのが午後3時。
結果としては、ポルトから海岸沿いにずっと北上し、ほぼ北端の町まで行って、また戻ってくることができました。
今回はざっと概観というていどですが、土地の様相をつかむことができたのでまあOK。
更なる課題は、次回以降に。

 

 

ポルトガルは北部といっても、白壁にオレンジの屋根の家々や、棕櫚やソテツなんかが生えていて、けっこう南っぽい雰囲気です。
畑地や山の景色はつくばとそう変わらないかも。
海岸近くは、千葉の館山あたりの感じにとてもよく似ていました。
浜辺へ降りていくに違いない、塀に挟まれた細道など見ると、キューンとなって、バスを飛び降りて辿っていきたい衝動に駆られます。

 

ヴィアナ・ダ・カステロの町が見えてきました。右は、河口より上流側をのぞむ。

 

山の上にお城があるのが分かります。これが町の名の由来っぽい。

 

河口にはボートがたくさん。バスステーションのとなりには鉄道駅が。

 

さて、1時間のあいだに町へ探検に!

 

のんびりとした保養地という感じ。民芸品のショールなどが売られてます。
ひとけないカフェの向こうには海が!



海に出たー。ひと休みして、また来るね、と約束してきました。


 

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海岸線のほぼ北端に位置する町、ヴィアナ・ダ・カステロ。
すぐとんぼ返りして戻らなくてはいけないので、この町にいられたのは1時間だけ。
それでも、メインストリートをぶらぶら歩いて海まで行って、リュックに入れていたお菓子をかじりながら、海を眺めてしばらくのんびりする余裕がありました。

  

帰りは、7時台とか8時台とか、西日が横から直撃で、死ぬほどまぶしかったです。

  

ポルト到着は9時近く。
バスの運転手さんはポルトガル語オンリーで、お互いにさっぱり一言も分かりませんでしたが、とても親切な方で、気持ちよいバス旅ができました。



帰り、宿の近くのアミューズメントサイトの屋台で。
ポルトガルでよく見るSuper Bock というビール。とても軽く、飲みやすい。
気持ちよい冷たさに、炎天下の一日の疲れが癒されます。
あと、定番のタラとジャガイモのコロッケに、レイタオという三角形の揚げパイ。
サモサ的なパイ皮に、中には豚挽き肉が入ってます。みんな美味しかった。
しばらく、野外ライヴを聴いたり、ポルトの夜景を眺めたりして、宿へ戻ります。






  

Posted by 中島迂生 at 00:35Comments(0)ポルトガル紀行2017